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第4話 青少年よ、大志を抱け?!
ミオの身代わりの時は華やかなスポットライトの中心に
立って、社交的な微笑みを振りまくけれど。
それ以外の時の俺はごくごく一般的な17才男子で。
ミオの所属する芸能事務所で事務補助のバイトを
しながら古今珍しくなった定時制の高校に通っている。
「―― まぁーた断ったんだって?
全額給付奨学金入学のお誘い」
”失礼しましたぁ”と、教職員室から出て来た俺に、
大親友の国枝あつしが話しかけて来た。
「うん、すっぱり断った」
俺の言葉にあつしは呆れたように笑った。
「ってねぇ、あっさりと言ってるけどこの世知辛い
ご時世に大学の方から入学招致してくれるなんて
そうザラにはないんだぞー。分かってんのかね~
この子は……じゃ、卒業後はやっぱり就職か?」
「うん。早いとこ親からちゃんと独立したいし」
「だから、うちの親父の申し出受けちゃえって
言ってるのに」
「今のマンションに住まわせてもらってるだけで
十分だよ」
「ったく、お前って、そーゆうとこはガキの頃から
ちーっとも変わっとらんね」
「へへへ、性分だから」
「東っちも嘆いてたよー、ホントにもったいないって」
「―― そーお? 試験なんて真面目に授業受けてさえ
いれば楽勝だと思うけど?」
「……それ、嫌味?」
歯をわざとらしく食いしばりながら言うあつしに笑う。
「うんにゃ、経験者」
「ひゃぁぁ~~っ、何気に悔しい……」
正門を抜けたところで立ち止まる。
「じゃ、仕事頑張ってなぁ~」
「おぅ、ありがとー」
笑いながらあつしと別れて、バイト先の
覇王・東京営業所に向かう。
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