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淫らなレッスン
翌朝、いつもと同じようにザカライアはノアを起こしに部屋まで来た。
朝食を食べ終えたら、ソファに座って読書をしてすごした。午後からは庭のハーブを摘み、薬草について語った。いつも通りだった。
ノアは少しぎこちないが、できるだけ普段通りにザカライアに接するよう努めた。彼が怖かった。
───ザカライアは俺を殺さないと言った。 あの少年と俺は何が違う?
ノアの不安をよそにザカライアは全く動じていなかった。逆に隠し事が減ってせいせいしたみたいだ。
ただ、二つだけ変化があった。
別々だった寝室を一つに戻した。
ザカライアはノアに同じベッドで眠るように命じた。
昨夜、少年の死体を見たベッドだ。
嫌悪感で吐きそうになっているノアに『大丈夫。シーツは新しくしたよ』と、ザカライアはなんでもない事のように言った。
───怖い……怖い、怖い……!
彼はおかしくなってしまった。少年を殺したのに平気な顔をしている。
青くなって小さく震えるノアをベッドに横たえて、ザカライアは唇を合わせた。 昨夜と同じように舌を絡ませて、濃厚な口付けをする。
『……ぅ、ふぅ……ん、ん!?』
ザカライアの手がノアの夜着をするすると脱がせていく。裸にされてノアはいっそう怯えた。
『お、俺を……殺すの? 』
『殺したりするはずがないでしょう。お馬鹿さんだね』
ザカライアは苦笑してノアの鼻先にキスをした。ノアの心臓がキュッと縮こまる。
『ああ、ずっとこうしたかった……あまりにノアが小さいから手が出せなかった。 これから少しずつ慣らしていこうね』
『なに? 怖いよ、ザカライア……やめて、お願い……っ』
『君がそんなふうに怯えるなんて新鮮だ。可愛いね』
ザカライアの美しい顔は欲望で染まりつつあった。
ノアは養い親がずっと隠してきた雄の顔を初めて見せられて、恐怖に動けなくなってしまう。
『……あ、なに? やだ。 ゃ、やめて……』
ザカライアの美しい指と唇が、ノアの裸身を這い回る。絹糸のような金の髪がノアの肌をくすぐった。
恐怖と気持ち悪さにのノアは嫌々と首を振り、ザカライアにやめてほしいと哀願した。
『やめて、気持ち悪いよっ。ザカライア……あ!』
ザカライアの唇がノアの幼いペニスに触れた。ノアの華奢な肢体がビクリと硬直する。
『ああ、本当に可愛いらしい……食べてしまいたいよ』
『ダメッ!! 食べないでっ!』
慌てて叫んだノアに、ザカライアはクスリと笑って小さなペニスを口に含んだ。
『ぅあっ……あ、食べちゃだめ! 食べちゃやだぁあ!!』
ノアは怖くて震える手でザカライアを押し退けようと金の髪を掴むが、か弱い抵抗など無意味で、ザカライアに好きなようにペニスを舐めしゃぶられた。
『ぁう、ふ……んんっ……や、なにこれぇ……っ!?』
蒼白だったノアの頬に赤みが刺す。
どんどん下肢が熱くなってゆく。ザカライアにしゃぶられているペニスは硬くなっていった。
ザカライアは勃起したノアのペニスから口を離した。そして、亀頭部分を指で挟んで、ゆっくりと皮を根元に下げていった。
『いっ! 痛いッ!!』
『最初は少し痛いかもしれないけど、我慢しなさい』
『やだ! 痛い! やめてやめて、あ!』
ザカライアはノアのペニスの皮を剥いて、つるりとした亀頭を剥き出しにさせた。
ノアは初めての痛みにグスグスと泣き出したが、ザカライアはおかまい無しに行為を続けた。
『……本当に……可愛い、ノア……』
『あっ……あ!あ! や、めて……やめてよぉ、ザカライア……ッ!』
ザカライアは再びペニスに舌を這わせた。チュプチュプと卑猥な音を立てて、綺麗な色をした幼いペニスをしゃぶった。
ノアは苦痛と快楽に怯えて戸惑いながらも絶頂へと登りつつあった。
『あ、あぁあ……や、ダメッ! お、おしっこ、出ちゃう! 離してッ!』
『……飲ませて』
『絶対やだ!! やっ、あ! 離してぇえ! あ、あ、あ!───あぁあッ!!』
ザカライアの舌技にノアは呆気なく射精してしまった。ザカライアはノアの全てを飲み干して、愛しげにペニスの先端にキスをして離れた。
『……う、やだって言った……やだって言ったのに! おしっこ飲んだ……汚いよ……うう、』
『ノア、ノア。おしっこじゃないんだよ。 汚くなんかない』
『……おしっこじゃない?』
ザカライアは泣きじゃくるノアを優しく抱きしめて、甘い声音で囁いた。
『虐めてるわけじゃない。これは愛し合う行為だ。ゆっくり覚えようね 』
『……ぃやだ……こんなこと……』
『ノア、愛しているよ。君の全ては私のものだ』
この夜から、ザカライアの淫らなレッスンが始まった。
全身を舐められて、鳴される。
最初はくすぐったくて気持ち悪いだけだったのに、耳や乳首、脇腹や臍など、あらゆる場所がゾクゾク感じる性感帯に変わっていった。
それだけではない。ザカライアはノアの後孔も執拗に愛撫した。
『あ! やぁあ!』
アナルに香油を垂らされて、執拗に指でマッサージされて、ノアはおぞましさに叫び声をあげた。
『そこは嫌! やめっ……あ! やだぁ!』
伏せにされ、腹の下に枕を重ねて置かれて、尻を突き出した状態でザカライアにアナルを解されていた。
『……ああ、とても綺麗だ。早く私をここで受け入れておくれ』
『ひぃ……ッ』
ザカライアの長く美しい指がノアのアナルに埋まっていく。一本ずつ、ゆっくりと攻略していくように、ザカライアはノアの後孔を解していった。
───逃げないと……このままじゃ壊されてしまう。
ノアは殺されたくない一心で従順にしてきたが、いよいよ耐えられなくなってきた。
ザカライアの慰み者になるなんて嫌だ。
ノアは逃げ出す決意をした。
そんな思いをひた隠しにして、毎晩ノアは素直に身を任せていたので、ザカライアは油断していた。
午後の読書の時間にノアは紅茶に強い睡眠薬を入れてザカライアに出した。匂いも味もしない薬草だ。
ザカライアは紅茶を飲んでしばらくしてからウトウトしだした。
睡魔に勝てず、ソファで眠りに落ちたザカライアを確認して、ノアは急いで荷物をまとめた。
日持ちする食料、薬草、まじない袋を鞄に入れて館を抜け出した。
ノアの容姿は目立つので見つからないようにわざと汚い身なりをして戦争孤児に紛れた。
身を隠す為のまじないはザカライアが教えてくれた。
薬草や星読みの知識は生きていくのに大いに役立った。
ノアは物乞いをしたり、物好きな女相手に星占いをしたりして食い繋いだ。
毎晩、眠る度に夢の中でザカライアがノアに語りかけた。
戻ってこい、愛していると囁くが、ノアには恐怖しか感じられなかった。
幼いノアを拾って育ててくれた事には感謝している。だが、変態の殺人者の相手なぞ絶対に嫌だった。
まじない袋のおかげでザカライアに見つかる事は無かったが、ノアは転々と町を移動して暮らした。
いつも汚れた格好をしていたので、不埒な輩の目に留まる事も無かったのに……
そんな放浪生活を二年続けたが、今日、ルシアンと名乗る男に捕まったのだ。
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