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永遠の愛

「……ああ、ノア」 ザカライアは全てをノアのなかに注ぎ切り、覆いかぶさるようにして震える華奢な体を抱きしめた。 初めて体を繋げることができた喜びと、少年への愛しさに胸が熱くなる。たとえノアが自分のことを愛さなくても、もうかまわなかった。 ルシアンはザカライアを見下ろしながら、まだ達していない雄をノアの口内から抜いた。 「……ううッ! あ、ゲホッゲホッ……はぁッ……は、はぁッ……はぁッ……ッ」 「退け。ザカライア」 ノアの呼吸が落ち着いた頃に、ルシアンはザカライアに引くように告げた。ザカライアは無言でノアの上から退いた。 「……はぁ……あ」 「ほら、こっちに来い」 「も、ゃ……やだ……う」 ルシアンは膝の上にノアを抱きかかえて、ベッドから足を下ろして腰かけた。 弱々しく抵抗するノアの耳元で囁きながら、ノアの勃起したままのペニスをゆるく撫でた。 「あいつの前技なんかじゃイケなかったろ。かわいそうにな」 確かにノアはまだ達していなかった。 敏感な亀頭を指でくにくにと愛撫されて勝手に体が痙攣してしまう。 「あ!……あっあっ、だめっ!」 「奴のをかきだして、俺が種付けしてやる」 「あ!ぁあ、ひぃいッ!!」 すぐさまルシアンの雄が背後からノアを貫いた。 ノアは後頭部をルシアンの逞しい胸に擦り付けるように大きく仰け反った。背面座位の体位で悪魔の太い男根に犯される衝撃に、宙に浮いたつま先がビクビクと跳ねた。 「ぁ……お……あぅう……もぉ、も、やだぁ……っ」 「そう言うな。気持ちよくしてやる。ほら……な? いいだろう」 「はぁあ……あ、あ、ひ……はぁう……」 ゆさゆさと揺さぶられて、ノアはか細い声で鳴いた。 今宵、三度目だった。後ろを男に奪われるのは……。 辛くてたまらないのに、ノアの後孔は貪欲に肉棒を咥えこむ。そんな自分の肉体の変化が恐ろしかった。 「は、ぁあ……あ、あ……アアッ!!」 ザカライアは床に跪いてノアのペニスを頬張った。ペニスを包む温かい粘膜にノアは喉を反らせて喘ぐ。 「やぁ、離しっ……あ!……う、だめだめッ……ふ、ううッ!」 「ん……ノア……気持ちいい?」 「ぃやあ……やめて……お願ぃ……あ、はぁあ…」 「ほら、こっちにも集中しろ」 「あっあっあっ……ッ! こんな……前も……う、しろも……嫌、嫌、やめて……あ、あ、ぁあ」 背面座位でルシアンに揺さぶられながら、ノアの脚の間に跪いたザカライアに濃厚なフェラチオをされる。 前も後ろも責められてノアは気が狂いそうになる。 16歳だがノアの体は華奢で未熟だ。過ぎた快楽は苦痛に近かった。 まるで煉獄での冷たい態度を責めるかのように、二人から快楽の拷問を与えられ続けた。 「コレが好きになるように、もっと突いて欲しいってねだるように躾てやるから……楽しみにしとけよ、ノア」 「あぁ……そんなのぉ……いやだッ……はぁ、あ! あ!」 「ノア……イキたい? また飲んであげる。君の全部が欲しい」 「ひ! ああ……はなし……あ!……こんな、こんなの嫌……なんでぇ……やぁあッ」 ルシアンの手がノアの平らな胸を揉みしだき、小さな胸の尖りに爪を立てて愛撫した。 背後から悪魔の長い舌がノアの耳の穴に侵入し余すところなく貪られてしまう。 「は、はぁ……はぁああ……ぁあ……あ、あ、あ、」 三人の淫らな行為に終着が近付く。 ノアはザカライアの金髪を掴み、引きはがそうとしているようでいて、もっと舐めてと押し付けるようにその髪を細い指で乱した。 「やぇて……あ、でちゃうぅ……おれっ…あ!も、いきそ……ッ!」 ノアの言葉にザカライアが興奮したようにじゅぽじゅぽと激しく吸い上げた。 「ああ……俺も、お前の中でイク……ノア……ノア……ッ」 「いやっ、なかは嫌……あ! だめぇえ……やぇて……や、あ、あ、だめもうイクイクッ───ッアア!!」 ノアが絶頂に達した瞬間の後孔の締め付けに、たまらずルシアンもアナルの奥に射精した。逞しい腕で華奢な体を強く抱きしめた。 ザカライアは愛しい少年の精液を全て飲み干した。 「ノア……可愛い」 「あっ、だめぇ! イッた……もぉイッたからぁ! やめてザカライア……ひぃいッ」 ザカライアはまだ敏感なノアの亀頭を綺麗にするように舐め回した。 暴れてやめさせようとしたら、ルシアンに背後からキスをされた。捻じ曲げた首が苦しかったが、ルシアンの口付けは激しく濃厚だった。 「愛してる。永遠に離さない」 ようやくペニスから口を離したザカライアもノアに口付けをした。 「ノアが昔と同じ姿にまで成長したら、時を止めてあげる」 「……は、ふぅ……なにを」 ルシアンとザカライアが手を組む本当の理由はこれだ。 ノアは人間界で転生を繰り返すよう罰を与えられている。それを止めるというのだ。 ノアの成長を止めるにはザカライアの力だけでは無理だった。自然の断りから外すには悪魔の、ルシアンの魔力も必要なのだ。 魂はハーフブリードのままなので、肉体の成長を止めてしまえば、ノアはその姿のまま生き続ける。 「もう離さない……愛してる」 「あの館に戻って、永遠に……愛してあげる」 「いや……いやだ、そんなの……」 ノアは唇を震わせて、絶望的な眼差しでザカライアとルシアンを見た。 二人とも本気だ。恐ろしい、おぞましい行為を永遠に続けようと言うのか。 「離せっ……離せよぉ、嫌だ! やだぁあッ……ちくしょッ」 暴れるノアを腕の中に抱きしめながらルシアンは思った。 煉獄にいる時は手が出せなかった。 ハーフブリードのノアは天使の力も持っていた。 本気で戦えばルシアンの方が強いが、そう簡単には組み敷くことができなかった。 それに、逃げられて煉獄のどこかに身を隠されたら、ルシアンといえどノアを見つける事は難しかっただろう。 嫌われないように、逃げられないように……自分を抑えてノアを口説き続けていたのだ。 ───だが、このノアなら支配できる。 今のノアは魂はハーフブリードのままでも魔力も記憶も失ったか弱い人間だ。ルシアンから逃げる術はない。 男の思うように抱かれて鳴くだけだ。 「お前は俺のものだ」 「私のものです」 二人の言葉にノアの内に怒りの感情が湧き上がる。 どいつもこいつも勝手な事を言う。こんな奴らに好き勝手にされてたまるもんか……! ───逃げてやる。絶対に逃げてやる! ノアの瞳に力が宿った事に二人は気付いていた。 昔のノアのままだ。圧倒的に力の差があるにも関わらず、ノアは諦めていない。 従順さなど微塵も感じさせられない瞳で空を睨んでいる。 二人にはそれがたまらないのだ。 ルシアンとザカライアは視線を交わして微笑した。 「それでこそお前だ」 「ああ、ノア……愛してる」 「俺は愛してないッ……くそったれ!!」 天使と悪魔に抱かれながらノアは悪態を吐いて、再び快楽に堕ちていく感覚にきつく目を閉じた。 end

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