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[後日談]4
「ねぇ、俺の成長を止めたんなら、もうルシアンとセックスしなくてもいいんじゃない?」
数か月後、ルシアンが魔界へ戻り、館にはザカライアと二人だ。寝室で絡まり合いながら、ノアが呟いた。
「嫌なんだ。あいつ、乱暴だし。セックスしてる時、悪魔の姿に変身するんだ。怖いよ……」
「あの男、君に乱暴を?」
ザカライアの瞳に嫌悪が浮かぶ。
「うん。痛いって言うと笑うんだ。それにザカライアを馬鹿にしてる。天使のちんこじゃ満足できないだろって」
ザカライアの瞳の色が嫌悪から怒りに変わった。ノアは内心ほくそ笑みながら、わざと子供の頃のような口調でザカライアに話した。
「昔みたいにザカライアと二人だったらいいのに。あの頃は楽しかったよ」
「ノア……私もあの頃はとても幸せだった。」
ザカライアは少し考え込むように、ノアの胸に頭を乗せた。
そんなザカライアをノアは心の中で笑っていた。
ルシアンとザカライア、二人にはそれぞれ甘い言葉で毒を盛った。
それが効果があるかは分からない。だが失敗しても構わなかった。
どうせ自分は死にはしないのだ。時間なら無限にあるというのだから、せいぜい引っ掻き回してやろうと思った。
翌日、ノアが起きた時にはザカライアは寝室にいなかった。寝ぼけ眼で階下へ行くと、そこにいた人物にノアは目を見開いた。
「よく似ているでしょう?」
「ザ、ザカライア。これは……?」
ノアの目の前にはもう一人のノアがいた。顔も身体もそっくりだ。
「これで数日間。ルシアンを騙せます。さぁ、急いで。ここを出ます」
ザカライアはノアを抱き上げて館を出た。大きな純白の翼を広げて舞い上がった。
ザカライアは別の場所に仮住まいの館を作り、そこにノアを隠した。
「ここは急いで作った館です。もっと結界を強化した館を作るので、狭いですがここで待っていて」
「分かった。待ってる」
ノアの素直な言葉にザカライアは微笑んで、再び飛び去っていった。
「………は、はははッ! あいつ、バカじゃねぇの?」
ノアは笑いが止まらなかった。まさかここまで上手く操れるとは思わなかったのだ。何年も従順にしてきた甲斐があった。
「なんで俺がお前らを好きになると思えるんだよ」
ノアは吐き捨てるように言った。
成長を止められたあの日。煉獄にいた時と同じ格好をさせられ、二人に散々犯されたのだ。
『あ、あ……何を? 無理っ! やめ……い、痛い! やめて!』
先にルシアンがノアの中に挿入し、騎乗位の体位から、ノアはルシアンの逞しい胸に倒れ込んだ。
上からザカライアが覆いかぶさってきた。ルシアンのモノを咥えこんでいるアナルにザカライアが己のペニスを捻じ込んでしたのだ。
『やめてぇ……やぇ、て……ひぃ、ぐ、ううう!……いぁ!』
『力を抜いて……大丈夫だから、ああ、ノア』
なす術もなく二輪挿しにされて、ノアは身も世もなく泣きじゃくった。だが、二人は決して止める事はなく、ゆっくりと、徐々に激しくノアを犯した。
『ひ、ひぃ……こ、われるぅ……ぎ、ぅうあ!……ゆるしてぇ』
『お前は壊れたりしない。おら、前が濡れてきたぞ。淫売め』
あの時、絶対に逃げてやると誓った。
あんな服とも呼べないような布きれを纏わせて、二人は『生まれ変わる前のノア』の面影を抱いたのだ。
ひどい屈辱だった。
ノアには記憶が無い。どれほど懐かしまれても分からないのだ。
知らない存在である『ハーフブリードのノア』の身代わりに好き放題にやられている。それが許せなかった。
あの二人を傷付けて、逃げてやる。そう誓ったのだ。
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