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眠り姫とキス

  一時間めの授業が始まって早々たが、ヤバい。死にそうに眠たい。 昨夜の有栖川父との尋問スカイプで、授業中に寝不足の俺は気絶しそうに眠たい。 あのクソ親父~とか思ってたら、数学教師が、「有栖川。大丈夫か?」と、声をかけてきた。 「えっ!? だいじょぶです!」 なんか声ひっくり返った。恥ずかしい! 「無理はするな。少し休んできなさい。誰か保健室に案内してやって」 おお! そうか。俺って長期入院してた訳だから、気を使ってくれてるんだ。 先生、ありがとう。超ありがとう! 眠いだけなんだけどね。 「僕が案内します」 ハイっと手を上げて、園田が席を立った。 俺は園田に連れられて保健室に向かう。 「病弱で無自覚で美形……すごいスペックだ」 俺の隣で園田はなにやらブツブツ言ってた。眠いので無視したけど。 保険医はどっか行ってるみたいで、誰もいなかったけど、俺はさっさとベッドに横たわる。 あああ。ベッドだ、ベッド。最高です。 「園田。ありがとね。俺、寝てれば大丈夫だから。教室戻っていいよ」 「一人で大丈夫?」 「だいじょぶ。保険の先生もすぐ帰ってくるだろうし」 ちょっと心配そうにしてたけど、園田は教室に戻っていった。 良い奴だよな。ときどき言ってることが意味不明だけど。 そして俺はカクッと眠りの世界に旅立った。

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