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千尋と放課後1
昼飯を食べ終えて、食堂を出る時に「今日は生徒会のメンバー、食堂に来なかったなぁ」と、園田がつぶやいた。
俺は高槻先輩の言葉を思い出して、園田に聞いてみた。
「高槻先輩に生徒会の奴らには近付くなって言われたんだけど、なんで?」
園田が、あ~ってゆう顔をした。
「実はね……」
「ストップ。変な先入観植えつけちゃうから、直接見るまでは黙ってた方がいいよ~」
ああ、確かにそうかも。
俺は美村の言葉に納得した。高槻先輩のこともあるしね。
後ろで美村と園田が、なんかこしょこしょ話してるが、内容は聞こえなかった。
「それに、何にも知らないでエンカウントした方が、面白いもの見れるかもよ?園ちゃん」
「美村くん、ナイス!」
保健室事件以外は問題なく、初日は終わった。
放課後、俺は教室で高槻先輩を待っていた。
「高槻先輩、来るの? じゃ、俺逃げるねぇ~」
美村よ、何故逃げる。
「高槻先輩来るまで、僕は残って有栖川くんと話してるね」
「そ~。じゃ~ね。園ちゃん。アリスちゃん」
「また明日な」
初日だから、気を使って一緒にいてくれるのかな?
やっぱり、園田っていい奴だ。
なんだかんだ雑談してたら、高槻先輩が来た。
「千尋」
「あ。高槻先輩」
「悪いな。待ったか?」
「大丈夫です。園田が残って一緒にいてくれたんで」
高槻先輩が園田を見た。
「そうか。ありがとう」
「いいえええ。有栖川くん、初日だし。ぼ、僕も話たかったので」
園田が顔を赤くして、しどろもどろになった。怖くないのになぁ。
「帰るぞ」
「はい。園田も帰ろ」
「ううん。僕はこれでっ! また明日ね。有栖川くん」
園田はバタバタと教室を出て行った。
「?」
変なの。
やっぱり高槻先輩が苦手なのか?
俺は、1仏陀の話を思い出す。
でも、それなら美村と一緒に逃げてるよな?
てゆうか、チャライ美村と違って園田に問題は無いだろ。
「千尋」
「あ。すみません」
廊下で高槻先輩が俺を呼んだので、俺は鞄を持って教室を出た。
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