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小林と千尋と公園2
腹もこなれてきたし、俺と小林は公園を出て歩いた。
俺は夏物の服とパジャマ代わりの部屋着を買った。
実は今まで……有栖川父の趣味でシルクのパジャマ……着てました。
うぉお! 柄じゃないんだー!
トゥルってした白いシルクのパジャマとか、少女漫画かよ!
けっこう私服も有栖川父の趣味の、なんというか清楚系が多かったので、今日はカジュアルな服を買いに来たんだ。
まぁネットでも買えるんだけど、小林とブラブラしたいのもあって。
店を出ると小林がさりげなく俺のショップバッグを持った。
不本意だが、今の俺は華奢な高校生なので、荷物持ちは小林に任せた。
昔通りの「山田と小林」って感じもあるんだけど……
意外にも小林が紳士的なので驚いてる。
昼の洋食屋では自分の分は払うって言ったけど、結局小林が奢ってくれたし。
まぁ肉体年齢差は10歳近いしね。
「あ」
コンビニの前を通りかかって、夏フェスのポスターを見た。
最近好きになったアーティストが来日参戦するみたいだ。
「行く?」
「え?」
小林の声に振り返る。
「行くんならチケット取っとくよ」
そういや前にも小林と夏フェス行ったことあったな。懐かしい。
「一緒行く? いいの?」
「いいよ」
「じゃ、頼むわ」
なんか楽しみが増えた。
その後、小林と本屋に行った。
小林はまた分厚い小説を買っていた。
そんで、お茶してウダウダしてたら、あっという間に夕方だ。
あ~あ、またあのホモの巣窟学園に戻らなきゃいかんのか。
このまんま、小林んちに泊まってきたいけどなぁ。昔みたいに……。
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