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千尋とプロレスラー1

小林はバス停まで見送ってくれた。 俺は小林と別れてバスに乗り、望応学園に戻った。 帰りのバスは一人だった。 平野、大丈夫かな? 行きのバスで一緒だった平野を思い出す。また明日にでもメールしてみよう。 バスが学園に到着し、俺は寮の部屋に戻った。玄関に脱いだ靴があるから高槻先輩は部屋にいるみたいだ。 「ただいまで~す」 ……シーン。 寝てんのかな? 高槻先輩は一度寝たらなかなか起きない。いつも目覚まし時計は3つセットしている。 部屋にいるだけなら、必ず顔を出して「おかえり」と言うし。 多分、自室でガン寝を決め込んでいるんだろう。 きっちりしてるようで意外なんだよなぁ。 俺はショップバッグを部屋に置いてリビングに出た。 昼のトルコライスがパンチが効いていて、腹は減ってない。というか晩飯いらないくらいだ。 「さて」 なので、俺は小林に借りた映画のDVDをリビングのでかいテレビで観ることにした。

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