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千尋とプロレスラー2[side 高槻]
[side 高槻]
「……うー」
晩飯前にちょっとだけ寝ようと思ったんだが、がっつり本気で寝てしまったみたいだ。
時計を見ると夜の8時だった。
横になったのが4時頃だったから、4時間寝たことになる。
……寝すぎだ。
俺は一度寝たら中々起きれない。
昔からだ。この寝汚い癖だけは治らない。
のっそり起き上がってベッドを下りると、リビングから微かに物音がした。
千尋が帰ってきているのだろう。
俺は大きく伸びをして、コキリと肩を鳴らした。
自室を出てみると、千尋はリビングでテレビを見ているようだ。
画面には映画のエンドロールが流れている。
「おかえり。千尋」
「……」
返事が無い。
「千尋?」
ソファに近付いて千尋の顔を見た。
「!?」
千尋は涙を流して泣いていた。
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