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涙痕と翻弄される男たち1
昨夜は映画を見て号泣してしまったので、今朝は少し目が腫れぼったい。
冷やしとけばよかったかなぁ。
顔を洗ってリビングに行くと、三個めの目覚まし時計で起きてきた高槻先輩がコーヒーを淹れていた。
昨日は泣いてるとこ見られちゃったから気まずいなぁ。
「おはようございます」
「おはよう、千尋。あの映画見たけど、俺もちょっと泣いた」
「えっ」
「いい映画だったよ」
高槻先輩はちょっと照れながら笑ってる。
「ですよね。ですよね!」
嬉しい。自分が感動した映画で同じように感動したって聞くとテンション上がるわ~。
「少し目が腫れてるな」
高槻先輩は指先でそっと俺の目元を撫でた。
「あ~、分かります? 嫌だなぁ。なんか言われるかな」
「今からでも少し冷やしておけよ」
高槻先輩が冷凍庫から保冷剤を出して、タオルで包んでくれた。
「ありがとうございます」
それから俺と高槻先輩はダイニングで朝食を食べながら、映画の話で盛り上がった。
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