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千尋と神回避終了のお知らせ2
倒れた生徒に走り寄って呼びかける。
「おい! どうした? 大丈夫か!?」
あんまり揺すらない方がいいんだっけ。
俺はそいつの頬っぺたをペチペチと軽く叩いて声をかけ続けた。
「しっかりしろ! 聞こえるか?」
「は……」
意識が戻った!?
「……腹減った」
「えっ?」
「……眠い……」
「え─────!?」
なにコイツ。なにコイツ。
そいつはまたガクリと意識を失った。
てゆうか、寝た?
腹減って眠いだけか。
ちょっとホッとした。
「どうする?」
置いていくのもなぁ。
よく見ると、すごく整った顔の美形だ。
高槻先輩や美村でイケメンは見慣れているはずだが、コイツは更にワンランク上のイケメンだった。
身長も190いってるんじゃね?
ムカつくわぁ。
ここはホモの多い学園だからな。こんなイケメンを放置するわけにもいかないか。
「しょうがないなぁ」
とりあえずエレベーターまで運んで、誰かいるであろう一階まで行こう。
「よいしょ!」
俺はそいつの腕を肩にかけて、起き上がろうとして……潰れた。
「ぐえっ!!」
グシャっとカエルみたいに床に突っ伏した俺の体に重なるように、そいつの体がのしかかった。
重い!重い!
そいつの長身でゴツい体に完全にプレスされてる。
「ちょっ……と! あんた! 起きろ!」
「……」
ダメだこりゃ。
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