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千尋と神回避終了のお知らせ3

ヒィヒィ言いながら、どうにかそいつの体の下から這い出た。 うつ伏せで大の字に倒れたそいつの横に正座して、ふぅと一息ついた。 スマホが無いから助っ人を呼べないし。 有栖川千尋の華奢な体では、このデカイ男を運べない。 この階に人の気配は全く無い。 かといって置いていくわけにもいかんしなぁ。 エレベーターは目と鼻の先だし。 「誰かは知らんが、御免!」 俺は寝てるそいつに一言断りを入れて、足首を持った。 「よいしょー!」 表に返して両足首を掴んで、ズルズル引きずってエレベーター前まで運ぶ。 どう見たって、アレだ。 第三者が見たら、完璧死体遺棄だろうが! って感じだけど。 だって、コイツ重いんだよ! ほっとけないし。善意だ善意。 「はぁ」 はあ、やっとエレベーターの前に着いた。 ボタンを押すと、すぐに開いた。 俺は再び足首を掴んで「よいしょー」と、そいつをエレベーターの中に引き入れようとして…… 無情にもタイムアウトでエレベーターのドアが閉まる。 ガシャーン。 「うわっ! 挟まった!」 そいつの太ももがエレベーターのドアに挟まった。 俺は慌てて開くボタンを押す。 ドア開く。 足首掴んで引っ張る。 ドア閉まる。 ガシャーン。 「いやー! また挟まった!」 今度はお腹が挟まった。 俺は慌てて開くボタンを押す。 ドア開く。 足首掴んで引っ張る。 ドア閉まる。 ガシャーン。 「ぎゃー! 顔挟まったぁ!」 今度は顔が挟まった。 俺は慌てて腕を引いてエレベーター内に引き入れた。 でも全然起きない。よかった。 ……よかった……のか? とりあえず1階のボタンを押した。

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