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千尋と風紀委員長1
俺は保健室から抜け出して、今度こそ風紀委員室の前に到着した。
生徒会長とエンカウントしたこと、高槻先輩には黙っておこう。
また説教タイムが始まりそうだし……。
俺は風紀室のドアをノックした。
「失礼しま~す。一年の有栖川です。高槻先輩、いらっしゃいますか?」
ガチャっとドアが開いた。
「千尋? どうしたんだ?」
高槻先輩だ。
「あ。あのですね。実は……」
「高槻。誰だ?」
高槻先輩の背後から声がして、でかい奴がヌッと覗き込んできた。
でかっ!!
高槻先輩も180超えで長身だけど、もっと背が高い。
190超えてんじゃね? 生徒会長と同じくらいかな。
ポカンと見上げてたら、ソイツに笑われた。
「お。噂の美人の眠り姫だな」
その言葉に俺はムッとした顔になった。
高槻先輩が慌てて
「千尋。風紀委員長の御影辰彦(みかげ たつひこ)委員長だ。委員長、同室の有栖川千尋です」
と、お互いを紹介してくれた。
コイツが風紀委員長か。
背が高く、これまたイケメンだ。
ほんとにこの学校はイケメン率高いな。女子高と合コンとか、しないのかな?
委員長は浅黒い肌に黒髪短髪の体育会系って感じだ。
和風な一重だけど、眼つきが鋭い。全然爽やかじゃない。
ドーベルマンみたい。見るからにムキムキっぽいハリウッド体型だ。
風紀委員長のくせに制服を着崩してる。
高槻先輩とはちょっとタイプが違うな。
「はじめまして。高槻先輩にはいつもお世話になっています。有栖川です」
ぺこりと頭を下げる。
「高槻に聞いてた通り、いい子じゃないか」
「千尋。入れよ」
「お邪魔します」
高槻先輩に言われて、俺は風紀室に入った。
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