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千尋と風紀委員長2
風紀室に入ると、応接セットのソファに座るよう促された。
奥は各々のデスクがあり、最奥にあるのが風紀委員長の机みたいだ。
「千尋。どうしたんだ?」
「あ。今日、園田の部屋で勉強教えてもらってきます。早く帰るようにするけど、もしかしたら先輩より遅くなるかもと思って」
「園田か……」
階は違うけど、園田の部屋は俺の部屋と同じ建物内だ。
「分かった。あまり遅くなるんじゃないぞ」
高槻先輩が俺の頭にポンポンと触れた。
「はい」
「おいおい。高槻。聞きしに勝る溺愛っぷりじゃないか」
横から御影委員長がチャチャを入れてきた。
「委員長! ふざけないでください。千尋を見れば気をつけるに越した事はないと分かるでしょう?」
高槻先輩が噛み付く。
「……まあなぁ。見た目はな」
なんか含みのある嫌な言い方だ。
「じゃ、園田が待ってるんで」
俺はさっさと出て行くことにした。
「ああ。気をつけるんだぞ。千尋」
「はい。お先に失礼します」
ぺこりとおじぎして、俺は風紀室を後にした。
最後まで委員長がじっと俺をみていた。
なんか……怖い人だったな。
生徒会長だけじゃなくて、風紀委員長にも近付かんとこ。
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