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千尋と密会2
俺は委員長に引っ張られて、寮の裏口まで歩いた。委員長の部屋は俺と同じ建物だった。
裏口の鍵は先生連中とひらパー兄さんしか持ってないはずなんだけど
「風紀の特権だ」
と言って、委員長はキーを出した。
「なんで裏口から?」
「誰かに見られたら面倒だし。高槻に見つかったら、それこそ厄介だ。お前を溺愛してるしな」
「はあ」
「階段で行くぞ」
「? どこに?」
「俺の部屋だ」
数分後、俺はヒィヒィ言ってヘタレていた。
委員長の部屋って……最上階ですか!?
「おい。あとちょっとだぞ」
「ハァ……あんた、早いんだよ……ちょっとって……今、6階だっけ……ぜぇ」
「12階までだ」
「……ひぇ」
まだ半分かよ!?
有栖川千尋の体は軟弱すぎる。
「仕方がない。ほら」
「?」
委員長が踊り場でしゃがんだ。
「おぶされ」
ああ。なるほど。
少し悔しい気もするが、楽したれ!
「失礼しま~す」
委員長は俺をおんぶして、ひょいひょい階段を登った。
「重くないですか?」
「全然。お前もう少し太った方がいいぞ」
「はぁ」
あっとゆうまに最上階に着いた。
委員長は俺をおんぶしたまま部屋に入った。
「あの。おろしてくれます?」
「ああ。お前、背負い心地もいいから忘れてた」
「……おろせってば!」
よいしょ、と委員長の背から降りた。
めっちゃ広っ!!
風紀委員長の特権らしい。一人部屋の特別ルームだ。
同じ階の別部屋は、副委員長とVIP待遇のお金持ちお坊ちゃまだとか。
別練の寮の最上階には生徒会連中の部屋があって、そこも別格らしい。
むかつくなぁ。
「さて。話してもらおうか。お姫様」
「姫って言うな」
ちょっとムッとしつつも、俺は委員長に全部話した。
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