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高槻先輩とエロ本1[side 高槻]
[side 高槻]
俺が寮に戻った時、枚方がエントランスでソワソワと不信な動きをしていた。
無視しようかとも思ったが……
「おい。何をしているんだ?」
「高槻! いや、別に」
ますます怪しい。
「何を隠している」
「いや、有栖川が遅いから心配でさ」
俺は眉を顰めた。園田の部屋は同じ建物のはずだ。
「外に出たのか? こんな時間に?」
「あ~………」
枚方が言い淀んだ。
「おい。隠すと後悔するぞ。千尋はどうした?」
低い声で脅すように聞くと
「あのなぁ、高槻。有栖川は思春期の男の子なのよ。あ~んな可愛い顔してるけど。ちゃんと男の子」
「?……何が言いたいんだ」
「有栖川、エロ本買いに行くって、出てっちゃったのよ」
──────ッッ!!!!
「え!? な!? エ!?」
俺は頭が真っ白になった。
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