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高槻先輩とエロ本2[side 高槻]
ふらっとよろけて、壁に手をついた。
「高槻。大丈夫か?」
「と、とりあえず、もう遅いし。荷物を置いてから、千尋を探しに行く。お前もさっさと部屋に引っ込め。不審者みたいだぞ」
それだけ言って枚方に背を向け、エレベーターまで歩いた。
なんてことだ!!
千尋がエロ本だと!?
ぐるぐると考えながら部屋に戻ると、
「千尋ッ!!」
ちょうど千尋が部屋に戻っていた。
「あっ! 高槻先輩。お帰りなさい」
「……た、ただいま」
……ちゃんと話さないと。
そもそも学園内にエロ本なんて売っていない。
枚方の言うように、千尋も思春期の男の子だ。
興味を持つのは自然なことだ。
だが俺はショックを隠しきれない。
「千尋、ちょっといいか?」
俺と千尋はリビングのソファに座った。
「千尋。お前………え、え、」
「?」
「映画は好きか?」
「まあ好きですかね。友達が映画好きで、オススメ教えてくれたら見るって感じですね」
「ああ、そ、そうか」
くそっ! しっかりしろ!
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