84 / 306
高槻先輩とエロ本3[side 高槻]
「どうしたんです? なんか変ですよ」
「いや……あの……あのな、枚方に聞いたんだが………え、え、え」
「!!」
千尋がハッとした顔をした。
「エッチなDVDのことですか?」
「えっ?」
千尋が少し焦った感じで早口に言う。
「確かにギャル系AVには惹かれましたよ。でも、借りたりしてないですから!枚方さんの部屋にも行ってないです」
………なんだと?
「枚方が?」
「エッチなDVDあるから部屋においでって言われたけど、行ってませんし、見てません!」
枚方。あの野郎……!
「あの、先輩?」
黙り込んだ俺に、千尋が不安そうに聞いてきた。
「千尋。俺のいない時に枚方に近付くんじゃないぞ」
「あ、はい」
「もう遅い。部屋に戻って休むといい」
俺は千尋の頭をそっと撫でた。
千尋はちょっとホッとした顔をして、部屋に戻っていった。
枚方の奴。
やっぱり要注意人物だ。
もう絶対に千尋に近付けさせてはいけないな。
そのDVDも没収せねばなるまい。
千尋がギャル系AVに惹かれたとか言ってたような気がするが
聞かなかったことにしよう。
ともだちにシェアしよう!