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千尋と「山田。タイキックー!」1
その日、俺は話題の人だった。
俺は知らなかったんだけど、今まで高槻先輩との登下校も注目の的だったらしい。
それが今度は風紀委員長も加わって、両手に風紀で登校したもんだから………。
「有栖川くん! いったい何があったの!? 委員長と一緒だったじゃない!」
いの一番に園田が食いついてきた。
「あ~………話すと長いから、昼休みでもいい?」
「うん」
園田がソワソワしているが、無視をする。他の奴らも興味津々だったが
「はいは~い。野次馬してるって高槻先輩と御影委員長にチクっちゃうよ~! バレたらお仕置きだよ~」
と、美村の言葉で、ササっと目線を外した。
「美村。ありがとな」
「いいよぉ。でも、後で教えてね」
美村がニッコリ笑って言った。
昼休み。俺と美村と園田は、弁当を買って裏庭の人の少ない場所で昼飯にした。
食堂なんかに行ったら、また注目の的になっちまう。
俺はロコモコ丼を食べながら、両手に風紀のいきさつを話した。
「有栖川くん………委員長にも気に入られちゃったんだね」
園田が感心したように言った。
「ええ!? どこがだよ」
「あの風紀委員長って、ここまでしないよ。高槻先輩がついているなら尚更」
“あの”って?
「なぁ。風紀委員長ってどんな人なの?イマイチ、キャラが分からないんだけど。ドーベルマンみたいってこと以外」
「ド………あ~、噂ね。あくまで噂なんだけど。有栖川くん、ヒカないでね」
「限りなく黒に近いグレーって感じ? まぁ、俺はホントだと思うよぉ」
「?」
「御影委員長って、中学生の頃、相当悪くて………族潰しだったらしいよ」
「族?」
「暴走族」
「ええ!? ヒクわ────!!」
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