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千尋と童貞くん狩り2
「くれるんですか!?」
俺はバッと委員長を見る。
委員長は笑って、俺の頭をくしゃりと撫でた。
「アホか。これは処分だ。好みを聞いたんだよ」
なんだ。期待させるなよな。
「これですかね」
俺は黒ギャルVS白ギャルを指差す。
「お前! ギャル好きなのか」
また委員長がツボって、俺の肩を抱いてゲハゲハ笑いだした。
「いいじゃないですか! 委員長はどれが好きなんです?」
「ああ。俺はこれかな?」
「………清楚系ですね。」
パッケージにはブレザーを着た色白黒髪の美少女がはにかんで佇んでいた。
アイドル系のイメージビデオみたいだ。意外だ。もっと肉食系なのかと思った。
「少しお前に似てるな」
「ええ!? 似てないですよ!」
「そうか?」
「あ!」
委員長が俺の顎を掴んで、マジマジと見てきた。
「………ちょっと」
俺は委員長に肩を抱かれて、顎を掴まれて、じっくりと顔を観察されてる。
なんか、嫌だ。
「やっぱり綺麗な顔してんな」
「キレイとか言うな」
「何がだ。事実だろうが。なかなかいないぞ、お前みたいな美形は。中身とのギャップがまた可愛いしな」
「離せって!」
俺は顎を掴む委員長の手を引き離そうともがくが、ビクともしない。
「馬鹿にして!」
「馬鹿になんかしてない。自覚しろって言ってるんだ」
「あっ!」
改めて顎を引かれて、委員長と視線を合わされた。
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