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千尋と童貞くん狩り3

その時、ガチャリとドアが開いた。 「委員長、遅くなって……何やってるんです!?」 あ、高槻先輩だ。 ツカツカとこっちに歩いてきて、腕を掴まれて引っ張られた。 委員長から引き離されて、俺はちょっとホッとする。 「どのAVが好きか話してたんだよ」 委員長はニヤっと笑って言った。 「A……!? 千尋! 見るんじゃない!」 「わぷっ!」 慌てた高槻先輩が俺の顔を自分の胸に押し付けるようにして抱き締めた。 「早く隠してください!!」 「落ち着け。高槻」 風紀室に入ってきたのは高槻先輩だけじゃなかったみたい。 後から入ってきた茶髪の生徒がAVを片付けた。 「それが噂の眠り姫?」 そしてもう一人、高槻先輩の肩越しに俺を覗き込んできた。 シルバーフレームの眼鏡のスッキリした顔立ちの生徒だ。 キレイな切れ長の奥二重で、薄い唇。クールな感じのイケメンだ。 「千尋。副委員長の西宮雅喜(にしのみや まさき)だ」 「あ。有栖川です」 このクールな人が副委員長か。 「あっちが同じ風紀の中津勇二(なかつ ゆうじ)だ」 「どーも」 AV片付けてる方が中津先輩で、俺に手をヒラヒラ降った。毛先が外跳ねの茶髪の、猫目でちょっとヤンチャっぽい生徒だ。 「あ。どうも」 二人とも高槻先輩と同じ2年生らしい。 「高槻先輩、あの、そろそろ離してください」 「すまん! 苦しかったか?」 「大丈夫です」 ひとつ息を吐いて、俺はギョッとした。 気付けば、風紀メンバー四人に囲まれていたのだ。 ムカつくことに全員背が高い。 多分180超えだ。 「ああ~なるほど。高槻が心配する訳だ」 「可愛いだろ。お姫様は」 「今朝のあれ。姫と王様と騎士がご登校って皆に言われてましたよ」 俺の頭上で雑談を始めた。 「ちょっと! あんたら、なんなんですか? うっとおしいです。人の頭上で!」 「すまん。千尋」 俺は風紀の輪から、ひょいと抜け出した。

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