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千尋とウォーキング3
眉を顰め、怪訝な顔をして俺を見てる。
肩に乗っかってるリスも、ちょっと怯えたように、そいつの首元に隠れながらこっちを見てた。
ナウシカかよ!
おっと、怖がらせちゃいかんな。
俺は右手で「お口チャック」のジェスチャーをして、左手をヒラヒラ振って、2、3歩ほど後ろに下がった。
邪魔する気ないですよー。
静かにしてますよー。
怖くないですよー。
伝わったのか、そいつはふいと俺から視線を外してポケットからなんか出した。
クッキーかな?
リスがクッキーを受け取り、小さな両手で掴んで、カリカリカリって食べだした。
おお! 可愛い!
ちょっと離れた場所から、リスの食事風景を見て、ほっこり癒された。
朝からいいもの見た。
さて、そろそろ行かなきゃ。
歩き出した俺を、そいつがまた見たこで、俺はぺこりと頭を下げて、その場を立ち去った。
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