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千尋と御影委員長1[side 御影]
[side 御影]
「なんだなんだ。お通夜かよ」
今朝も俺はいつものように、高槻の部屋まで行きコーヒーを飲んでいた。
………が、空気がお通夜だ。
高槻は珍しくしょげまくっているし、お姫様は拗ねたようにブスくれている。
まぁ、そんな顔も可愛いが。
泣いたな。
目が赤くなって、少し目元が腫れぼったい。
「何かあったのか?」
「なんでもないです」
高槻が答える前に、姫がばっさり言った。また高槻がしょんぼりしている。
おいおい。痴話ゲンカかよ。
俺はため息をついて、コーヒーを飲んだ。
この日、登校中も二人は一言も喋らなかった。
俺達のクラスは階が違うので、エレベーターで順々に降りて別れたが、俺は階段で降りて1-Bの教室を目指した。
「有栖川くん。どうしたの!?」
「アリスちゃん。何かあったの?」
教室ではクラスメイトが姫に心配げに聞いていた。
「あ!」
俺が一年の教室に入っていくと、教室にいる生徒連中がピシリと固まった。
「?………あ!」
不審げに振り返った姫が、俺を見て目を見開いた。
「ちょっと来い。一限目はサボりだ。おい。お前、教師に伝えとけ」
クラスメイトに言って、姫の腕を掴んで連れ出した。
「あんた! なに勝手に………!」
「風紀の特権だ」
俺は姫を連れて、風紀室を目指した。
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