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キスマークとキスマーク2
俺は風紀室に連れていかれた。
「何があった?」
ソファに座ってすぐ委員長が聞いてきた。
「えっと、理科室に忘れ物取りに行ったら会計とエンカウントして」
「一人で行ったのか?」
「だって、すぐだったし……でも、ダッシュで逃げたから!」
委員長がじっと俺の目を見てる。
「姫………嘘はつくな」
「嘘なんか………」
「これはどうした?」
委員長の指が首の絆創膏に触れた。
俺は、バッと下がって首を押さえた。
「なんでもない………あ!」
ぐるりと視界が反転した。天井、そして上から委員長の顔。
ソファに仰向けに倒されてる。
委員長はいつもニヤついてるのに、今は全然笑ってない。
「ぃたっ!?」
ベリッと絆創膏をはがされた。
「………」
委員長がじっと俺の首………とゆうか会計がつけたキスマークをガン見してる。
き、気まずい。
多分、委員長は怒ってる。
あんだけ気をつけろって言われたのに、このザマだ。
俺はキュっと唇を噛んだ。
「一人で行動するなと言ったよな?」
「はい」
「嘘もよくないとも」
「………はい」
委員長が首筋に顔を寄せてきた。
「ペナルティだ。お姫様」
「えっ?」
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