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高槻先輩とトム・ヤム・クン4[side 高槻]

結局、DVDを見終わったら、ケーブルでアメコミ映画特集をやっていたので、そのまま一緒に見た。 途中、俺も部屋着に着替えて、ダラダラと過ごした。 こんな風に学校をサボって過ごすのは初めてで、千尋とダラダラするのは楽しかった。 二本目のアメコミ映画のエンドロール中にキッチンでコーヒーを入れて戻ると千尋がうたた寝をしていた。 「千尋?」 コーヒーをローテーブルに置いて呼びかける。けっこう深く眠っているみたいだ。 薄く唇を開けて、小さく寝息を吐いている。 ソファに座ったままで窮屈そうだったので、横にしてやろうと肩を抱いたら、キュッとTシャツを掴まれた。 「千尋」 「ん………」 眠ってる。 無理に千尋の手をTシャツからひきはがすのは躊躇われた。俺は千尋の寝顔をまじまじと見た。 『1-Bの眠り姫』 千尋はそう呼ばれている。 閉じた瞼と長い睫毛。薄っすら色付いた唇。透き通るような肌。 少女のようではなく、少年と青年の中間の透明感のある美しさだ。 人形のように整った顔が、目覚めて笑えば、とても可愛らしく無邪気になる。 千尋の寝顔を見ていると、胸の奥がくすぐったいような………何とも言えない感情が湧きあがってくる。 「千尋」 俺は眠る千尋をそっと抱きしめた。

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