147 / 306

高槻先輩とトム・ヤム・クン5

「ん………」 あー、めっちゃ寝てた。 「んん?」 あれ? 誰かを下敷きにして寝てるみたいだ。寝起きの頭でぼんやりと見下ろせば、俺の下にいるのは高槻先輩だ。 ソファの上で高槻先輩に抱っこされて寝てたみたいだけど……… どうしてこうなった? 高槻先輩はソファの肘置きを枕にして、片脚は反対の肘置きに引っ掛け、もう一方の脚は床に下ろして寝てる。 俺はうつ伏せで高槻先輩を敷布団にしていて、ソファから落ちないようにか、高槻先輩の腕の輪っかの中にすっぽり収まっている。 そっと起き上がろうとするけど、高槻先輩の腕にがっちりホールドされていて、抜け出せそうにない。 「はぁ。まったく」 俺はため息をついて、高槻先輩の寝顔を見つめた。 相変わらず整ったイケメンだ。ただし、残念なイケメンだよなぁ。 高槻先輩は時々、暴走するみたいだ。 それ以外は良い先輩なんだけどなぁ。 気持ち良さそうに寝てる高槻先輩を見ていたら、俺もまた眠くなった。 高槻先輩のムエタイ胸筋を枕に二度寝をしたのだった。

ともだちにシェアしよう!