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千尋とカルボナーラ3
小林は下に新聞を敷いて、俺の肩にタオルを掛けた。
俺はソファに座って、ハサミを手にした小林は後ろに立つ。
金欠の時は小林にカットしてもらってたんだ。金欠の原因が彼女へのプレゼントだったので、毎回呆れたように溜め息を吐かれたけど。
「どれくらい切りたいの?」
小林の長くて繊細な指が俺の髪を梳いた。ちょっと気持ちいい。
「ばっさりいっちゃってください。男子って感じに」
「ばっさりねぇ。君の顔だと、短すぎるのも変だと思うよ」
「なにぃ!?」
「まぁ、まかせてくれる?」
「………おまかせします」
ちょっと微妙な言い草だが、小林はセンスはいいので任せることにした。
シャキシャキとハサミで梳いていく。
懐かしいなぁ。この感じ。
ちなみにこのハサミもちゃんとした美容師さんが使ってるのと一緒だ。
小林に頭を触ってもらうのは、非常に気持ちがいいのだ。俺はつい、うつらうつらしてしまう。
「いいよ」
小林の声でハッとした。
「………ありがと」
「シャワーで流してきて」
「うん」
俺は風呂場へ行った。洗面所の鏡を見て、おっと思う。
襟足を短く切っていて、うなじがスッキリ見える。耳まですっぽり隠れていたサイドの髪をばっさり切って、今は耳が出てる。
短すぎない前髪もいい感じだ。程よく梳いて、全体的に軽くなった黒髪。
ちょっと可愛すぎというか、ジャニ◯ズっぽい気がするが………女子高生にはウケるんじゃね?
「小林ー。ありがとー」
俺は洗面所から大きい声で小林に礼を言った。
「どういたしまして」
片付けをしてる小林も少し大きい声で返事した。
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