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白いうなじと翻弄される男たち1
望応学園に着いたバスから降りる時、バスの運転手の山田さんが俺の新しい髪型を褒めてくれた。
「千尋くん。髪切ったんだね。すごく似合ってるよ」
「ありがとうございます」
「あの背の高い男の人は従兄弟か何か?」
「友達です」
「友達………」
あ。年齢差あるし、友達って言ったら変だったかな?
でも小林は俺の友達だ。
姿が変わった今でも。
寮のエントランスでひらパー兄さんとばったり会った。
「有栖川! 有栖川、有栖川!」
「なに!? なんですか? なんすか?」
ひらパー兄さんが俺に向かって直進してきた。ちょっと怖いよ!
「髪切ったのか」
「ああ。友達に切ってもらって」
「めちゃくちゃ可愛いなぁ」
「ええ!?」
おかしいな。男子っぽくなったはずなのに………。
「ひゃっ!?」
ひらパー兄さんの指が俺のうなじを撫でた。
「何するんですか!?」
「いや………白いうなじが色っぽいなぁと思って」
高槻先輩の言う通り、ひらパー兄さんには近付かない方がいいかも。
「あっ。高槻先輩!」
「えっ」
ひらパー兄さんが後ろを向いた隙に、ダーッとエレベーターまで走った。
「ふぅ」
ボタンを押して、しばし待つ。
チンとエレベーターのドアが開いて
「あ!」
中にいたのは委員長だ。
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