165 / 306

白いうなじと翻弄される男たち3

「千尋? 委員長! 何をしてるんです!?」 高槻先輩だ。 「うわぁ!」 ぐいっと腕を引っ張られて、エレベーターの外に出た。高槻先輩は委員長を睨みつけた。 「そいつに危機感ってやつを教えてたんだよ。うなじが弱点みたいだぞ」 「委員長のばか! 言うな!」 委員長は、ハハハと笑って「じゃ、俺コンビニ行ってくるわ」と、そのままエレベーターに乗って下に行った。 「た、高槻先輩は下に降りないんですか?」 「………」 高槻先輩は俺を見て、腕を引いて部屋に戻った。 なに? 今度は何に1仏陀してるの?! 部屋に入ってすぐの廊下で、両腕を掴まれて高槻先輩と向き合う。 「委員長が言ってたのは、なんのことだ?」 「えっ?」 「弱点ってなんだ?」 えー!? それ聞くの? 「あ~。あの、俺くすぐったがりみたいでして。委員長がふざけて、からかったんですよ」 高槻先輩はじっと俺を見てたが、不意に腕を上げて俺のうなじを撫でた。 「わっ。ちょっと!?」 俺は慌てて後ずさりする。高槻先輩は眉を顰めた。 「委員長はよくて、俺は駄目なのか?」 「えっ? なんでそうなるんです?」 なに言ってんだ? この人。 「そうじゃなくて………触られて楽しいもんじゃないんですから。もういい加減に………」 「委員長には触らせてただろう」 えー! なにこの駄々っ子状態。 でも、あんまり頑なに断って、また暴走されたら嫌だな。 キスマークの時もだけど、高槻先輩は委員長に張り合うくせでもあるのかよ。 「あ~。もう、分かりましたよ。触っていいですよ」 野郎のうなじなんか触って、何が楽しいんだか。 高槻先輩の手が俺のうなじをそっと撫でた。思わずピクッとしてしまう。 「………」 「………」 玄関上がってすぐの廊下で向かい合って、無言でうなじを撫で撫でされてる。 ナニコレ???

ともだちにシェアしよう!