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白いうなじと翻弄される男たち4

「ひゃっ」 高槻先輩の手が掠めるように、俺のうなじをそっと撫でた。 アレだ。フェザータッチってやつだ。 ちょっと、ゾクッとしちまった。 「もう、いいでしょ」 俺は高槻先輩の手を振りほどいて、部屋の奥へ進んだ。 「うわっ」 高槻先輩が背後から、ぎゅっと抱きしめてきた。 「なに!?」 「委員長はこうしてたな?」 高槻先輩、しつこい! 「他に何をされたんだ?」 「別になにも」 「言うまで離さないぞ。千尋」 「なんなんだよ!? もう。委員長に、なんかちゅっちゅされて、くすぐったい嫌がらせされただけだって………あ!」 高槻先輩の唇がうなじに触れた。 「ちょっと………! なにして………ひゃ、あ!」 ちゅ、と軽くキスを落とす。ビクッと体が跳ねた。まただ。なんなんだよ。 「ぃやッ!」 逃げようともがくけど、がっちりホールドされてて動けない。 その間にも高槻先輩は、ちゅ、ちゅ、とうなじにキスを続けてる。 やばい。ゾクゾクする。 「あっ、またキスマークなんかつけたら絶交だから!」 高槻先輩がピクッと止まった。 俺はホッと脱力する。 「それは困る」 「あっ!」 今度はベロッと舐めた。 「やめっ! されてない!それは、されてないからっ」 なんでッ!? こんなの………あ! 「絶交は無しだな? 千尋」 「わかった! 分かりました! 無しだからっ、離せってば………は、ぁあ」 また舐められて、甘噛みされて、ようやく高槻先輩は腕の力を緩めた。 「は、ぅ………」 なにこれ? 膝がカクカクする。 「高槻先輩………」 「………千尋」 俺は思いっきり高槻先輩の足を踏んだ。 「ぐっ!!」 「セクハラ反対ッ!!」 俺は急いで自室に逃げ込み鍵をかけた。 なんでだ。逆効果じゃないか!! 恨むぞ小林。 俺はちょっとだけ小林に逆恨みをした。 しばらくして部屋を出ると、高槻先輩に平謝りされた。もう、ほんとに。 ここ最近の俺と高槻先輩はコント状態だ。しかも、ホモネタコント。 俺は高槻先輩にじゃがりことアルフォートとカフェラテを買いに走らせた。 戻ってきた高槻先輩に、 「その髪型似合ってる」 って言われた。 「どうも」 「可愛いよ」 「可愛い言うな」 俺はアルフォートを食べながら、高槻先輩をジト目で見た。 俺は恐ろしいことに気付いてしまった。 委員長の言うように、この有栖川千尋の体は………なんと言うか、感じやすいみたいだ。 最悪だ。

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