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ナウシカ兄さんと早朝散歩2

首をかしげて俺を見てる。うわぁ、めっちゃ可愛い! 蓮がいつものクッキーを差し出すと、リスは両手で持ってカリカリ食べてる。 わー、可愛いなぁ。癒される~。 俺はニヤニヤしながら、リスがクッキー食べてる様子を見て癒された。 クッキーを食べ終わったリスが、鼻をヒクヒクさせて俺の顔の方に寄ってきた。 「………ゎ」 リスの鼻が俺の鼻にちょんっと触れた。そして、俺のお腹から降りてカサカサっと木に登ってった。 あ~あ。行っちゃったぁ。 しばらくぼんやりと木の上を見上げてたけど、ハッとする。 「あ。ごめん。膝枕させちゃって」 「待って。このまま」 起き上がろうとして、蓮に止められた。 Tシャツの上がクッキーの粉だらけだ。蓮の手で優しくはらわれる。 そのまま、その手が俺の髪を撫でた。 「髪切ったんだね。似合ってるよ」 「ありがと」 俺はえへへと笑った。 やっとまともに髪型を褒めてもらえたよ。 さらりさらりと蓮の手が俺の髪を優しく梳いた。 あ。また寝ちゃいそう。 でも駄目だ! 高槻先輩が起きちまう。 俺は誘惑を断ち切り、蓮の膝枕から起き上がった。 蓮はちょっと寂しそうな顔をしてる。 なんか、そんな顔されたら弱いんだけど。 委員長がコミュ障のケがあるって言ってたなぁ。多分、この人は繊細なんだと思う。他の人よりもずっと。 「また散歩しようね」 俺は蓮に笑って言った。 「うん」 蓮も静かに微笑んで答えた。

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