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千尋と黒い稲妻2

iPodで音楽を聴きながら、コンビニまで歩いた。 ここはなんでも売ってるハイパーコンビニだ。 めっちゃ広くて、本のコーナーや文具コーナーも充実してるし、野菜やら肉やら自炊派生徒の為のスーパーコーナーもある。 自炊なぁ。俺も昔はやってた。 寮に入ったとき有栖川家から、一人暮らしセットで炊飯器やらモロモロ用意されてた。 学園生活も慣れてきたし、たまには自炊もいいかもね。 俺はカゴを手に駄菓子コーナーに向かった。 一番下の棚にブラックサンダーがある。俺はしゃがんで物色する。 ブラックサンダーグレーゾーン。なんじゃこりゃ。あ、紅茶味か。 俺はひょいひょいとブラックサンダーをカゴに入れた。あと、セコイヤのいちごチョコとどうぶつクッキーの小袋。高槻先輩にキャベツ太郎。 ふいに手元に影がかかる。 「?」 しゃがんでる俺の背後に人の気配が。 誰かが後ろから覗き込んでるみたい。 なんか近くね? もしかして邪魔かな? 俺はしゃがんだまま、よちよちと右にずれた。 「??」 すると、俺の右横にずいっと足が出て通せんぼされたみたいに、これ以上横に進めなくなった。でっけえ靴だな。 俺は立ち上がって、左にずれる。 今度はトンっと、棚に腕が伸びた。なんか壁ドンみたいに。 なんなんだよ? 俺はイヤホンを外して、振り返る。 「げぇえッ!?」 背後にいる奴を見て、俺はフリーズした。

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