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千尋と黒い稲妻3
ワイルドな黒髪。目力のある瞳。ハリウッド委員長に負けず劣らずのガタイの良い長身。
ワンランク上のイケメンだ。
俺の背後にいたのは、生徒会長だった。
俺は目を見開いて、バカみたいに口をパクパクさせた。
「お前が一年の眠り姫か」
ハッ! まだこいつには顔見られてなかったよな。
「違います!」
「は? お前、有栖川千尋だろ」
「え? 違いますよ。何言ってるんですか?」
なんで名前知ってんだ!? こいつ。
「俺を保健室に運んだだろ?」
「運んでないですよ。何言ってんですか」
やっべぇ! エレベーター挟みまくったことバレたのか!?
「先日は目潰ししてくれたよなぁ?」
げぇッ! それもバレてんのか!!
「知りませんよ。何のことですか。あんた誰ですか」
俺はシラを切り通して逃げ切ろうと思った。
「……ブラックサンダー好きだろ?」
「あ。それは好きです」
何言ってんだ?
「制服のポケットに入れてるだろ」
「なんで知ってんの?」
生徒会長はニヤッと笑った。
「……お前、面白いな。気に入った」
「えっ?」
不適な笑みを浮かべた生徒会長が、ぐいっと俺の頭を掴んで引き寄せた。
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