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園田とBLの神様1

この日、俺は委員長と二人で登校した。遠巻きにヒソヒソ噂話されてんのが分かって、寮に引き返したい気持ちになった。 昨日のことだよなぁ。 委員長は堂々としたもので、「言いたい奴には、好きに言わせてりゃいい」と男らしいことを言った。 やっぱりハリウッド委員長は違うわぁ。 俺も気にしないことにして教室に入った。 「おはよう。園田」 「………」 席に座ってた園田に挨拶したら、ぷいっとそっぽ向かれた。 「?」 「アリスちゃん。おはよぉ」 「おはよう。美村」 美村が俺の肩に手を置いて、「園ちゃんのことは後でね」と言った。 なに? 俺なんかした? クラスの奴らが、昨日の件を聞きたそうにしてたけど「野次馬は御影委員長にチクってお仕置きだよぉ」という美村の言葉に引いていった。 毎度、美村には感謝だ。 昼休み。 いつものベンチでお昼ご飯だ。今日はパンを買った。 俺はキノコとベーコンのフォッカッチャとイチゴと生クリームのサンドイッチ。美村はカツサンドとクルミパン。園田は塩パンの野菜ハムサンドとマンゴークリームデニッシュ。 ベンチまで歩いてるときも、園田は一言も話さなかった。 「なぁ、園田。俺なんかした?」 俺は園田にぶっちゃけて聞いた。 「………有栖川くん。ひどいよ」 園田が、かつてない程の真剣な表情で俺に言った。 「………昨日。オールスター祭………やったんでしょう」 「えっ?」

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