188 / 306
園田とBLの神様1
この日、俺は委員長と二人で登校した。遠巻きにヒソヒソ噂話されてんのが分かって、寮に引き返したい気持ちになった。
昨日のことだよなぁ。
委員長は堂々としたもので、「言いたい奴には、好きに言わせてりゃいい」と男らしいことを言った。
やっぱりハリウッド委員長は違うわぁ。
俺も気にしないことにして教室に入った。
「おはよう。園田」
「………」
席に座ってた園田に挨拶したら、ぷいっとそっぽ向かれた。
「?」
「アリスちゃん。おはよぉ」
「おはよう。美村」
美村が俺の肩に手を置いて、「園ちゃんのことは後でね」と言った。
なに? 俺なんかした?
クラスの奴らが、昨日の件を聞きたそうにしてたけど「野次馬は御影委員長にチクってお仕置きだよぉ」という美村の言葉に引いていった。
毎度、美村には感謝だ。
昼休み。
いつものベンチでお昼ご飯だ。今日はパンを買った。
俺はキノコとベーコンのフォッカッチャとイチゴと生クリームのサンドイッチ。美村はカツサンドとクルミパン。園田は塩パンの野菜ハムサンドとマンゴークリームデニッシュ。
ベンチまで歩いてるときも、園田は一言も話さなかった。
「なぁ、園田。俺なんかした?」
俺は園田にぶっちゃけて聞いた。
「………有栖川くん。ひどいよ」
園田が、かつてない程の真剣な表情で俺に言った。
「………昨日。オールスター祭………やったんでしょう」
「えっ?」
ともだちにシェアしよう!