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千尋と平凡くん3

「お前はいいだろうが、問題は平野だな」 「ですね」 委員長と副委員長が少し困った顔をした。 「平野は生徒会、特に瀧山に近付こうと桜ノ宮を利用してるって噂されてる。そこにお前だ。1-Bの眠り姫」 「俺?」 「今度は隠れアイドルのお前に取り入ろうって魂胆かと思われちまうだろ」と、ハリウッド委員長。 「あ~。風紀VS生徒会の台風の目だったもんね~。チヒロちゃん」と、中津先輩。 「えっ」 「平野君が君を利用して、生徒会や風紀に取り入ろうとしているんじゃないかって思う生徒も出てくるという事ですよ」と、西宮副委員長。 「瀧山の親衛隊長の西京極はそう考えるだろうな」と、高槻先輩。 俺は胃が痛くなった。俺が余計なことしちゃったから、平野の立場はますます悪くなったってことか。 「ごめん。平野」 「謝らないで。僕は嬉しかったよ」 平野は笑って俺に言った。 平野、ええ子や。 「でも、委員長。どうしよう………俺やっちまった」 「かまわねぇよ。元々、俺らと生徒会は犬猿の仲だ。桜ノ宮も平野の事も、金髪変態男と根性の悪い親衛隊が制裁やってるって事も、これまでは水面下の問題だった。これで真っ向からぶつかれるんだ。気にすんな」 委員長がガハハと笑った。 やっぱりハリウッド委員長は頼もしい。

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