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千尋と平凡くん4
「とりあえず、平野の登下校は一年のサブ風紀と行動してもらう」
「サブ風紀?」
「ゆくゆく風紀委員を目指す1年ですよ。他にも学園祭の時など、巡回に人数が必要な時に臨時のメンバーが一、二年に何名かいるんです」
へぇ~知らんかった。まぁ確かに、いくら腕っぷしが強くても四人じゃ足りない時もあるよなぁ。
メインで動いたり、いろいろ決めてんのはこの四人なんだって。
なんかすごいんだな。ハリウッド委員長、ただシモネタ言ってるだけじゃないんだ。
俺がちょっと失礼な事を考えてるうちに話が進んだ。
俺はいつも通り、委員長と高槻先輩と登下校。
昼休みは食堂に行かないこと。
生徒会とは距離をとること。
桜ノ宮とは関わらないこと。
でも平野は桜ノ宮と同室だ。
「今は部屋に空きがねぇからなぁ。それに桜ノ宮が表立って何かしてる訳じゃねぇし、部屋替えは無理だからなぁ」
俺は、はたと気付いた。
「美村んとこ空いてません? あいつ一人じゃなかったですっけ?」
「ああ。だが、編入生と同室になる事が決まってんだよ」
「編入生?」
「二年のな。夏休み明けに入寮だ。海外在住の秀才らしいが、この時期に珍しい。またおかしな奴じゃなきゃいいんだが」
委員長がめんどくさそうにため息を吐いた。俺はちょっと考えてみた。
「じゃあ、俺と平野が入れ替わったら………」
「絶対にダメだ!!」
高槻先輩が吠えた。怖っ。
「馬鹿な事を言うんじゃない!」
「だ、だって」
「落ち着け。高槻」
みんな桜ノ宮の事をラスボスみたいに言うけど………俺は今日初めて桜ノ宮を見た。
そんなに危なそうには見えなかったけど。ナウシカ兄さんが仲良くしてるみたいだし。
「俺、一回桜ノ宮と話してみたいんですよ。なんか、うわさ話ばっかりでつかみどころが無いし。まどろっこしいことするより、腹割って話した方が………」
「俺は許さないからな。千尋」
高槻先輩の過保護が発動だ。
「それも面白そうだが、お前は大人しくしとけ」
「………」
そんなに俺って頼りないかなぁ。
「そろそろ昼休みも終わるし、教室に戻れ。放課後、平野はサブ風紀を教室に行かせる。姫は風紀室に来い。明日の昼飯はここで食え」
「ここ?」
「昼は風紀室集合だ。てことで、お前ら解散だ」
委員長が締めくくったけど………
俺は恐ろしい事に気付いてしまった。
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