214 / 306

高槻先輩と嫁3

翌朝、俺はちょっと早起きして、キッチンに立った。 昨夜、メインのおかずは作っといたし、簡単なおかずをちゃちゃっと作ってタッパーに詰める。 高槻先輩が手伝おうかって聞いてきたので、「じゃあ、おにぎりお願いします」って頼んだけど………。 「あちっ!」 高槻先輩は炊きたてご飯に悪戦苦闘していた。 「大丈夫ですか?」 「だ、大丈夫だっ!」 ぎこちない手つきで、握ったおにぎりはというと………ナンダコレ? 幼稚園児の作品かよって感じだ。 「高槻先輩、やっぱりいいです。コーヒーでも入れてください」 思わず笑って言ったら、高槻先輩がしょんぼりした顔になった。 ああ、もう。しょうがないなぁ、この残念イケメンめ。 「ホラ。あーんして」 俺はおかずの卵焼きをひとつ、高槻先輩に差し出した。 「ち、千尋」 「ん」 高槻先輩がおずおずと口を開けた。 猫舌だったっけ? もう熱くないのになぁ。 俺は高槻先輩の口に卵焼きを放り込む。麺つゆと万能ネギ入りの卵焼きだ。 「どうですか?」 「美味しいよ」 「よかった」 俺はニカっと笑って、残りのおにぎりを握る。このぶちゃいくな高槻おにぎりはさすがに弁当に入れられない。後で俺が食べておこう。 高槻先輩が俺の肩越しにじっと見ていた。近いなぁ。ちょっと邪魔だ。 「高槻先輩。ほら、トーストとコーヒーセットして」 「あ、ああ。」 ようやく離れてった。おにぎり握ってるの見て楽しいのかな?

ともだちにシェアしよう!