217 / 306

風紀と平凡とお弁当2

「いただきまーす」 みんなでお昼ご飯だ。この学園に来てから、こんな大人数で昼飯食べるの初めてだなぁ。 「うまっ! 唐揚げ美味っ! なにこれ」 唐揚げを頬張って、中津先輩が言った。 「ちょっとカレー粉混ぜてるんですよ」 これ、小林のアドバイスなんだ。 こんなところで役に立つとは。 「ナポリタン懐かしいや。昔、母さんがお弁当に入れてくれてたんだ」 平野が嬉しそうに言った。 「小学校の時のお弁当とかナポリタン定番だったよな」 本場ナポリタンにはナポリタンてパスタ無いんだけどね。 「ポテトサラダも美味しいよ」と、西宮副委員長。 おからと豆乳入りのポテトサラダだ。 これも小林のアドバイス。 「タコさんウィンナーとか、くそ可愛いことしやがって。いい嫁になれるぞ」 委員長がしみじみ言った。 「嫁って言うな」 高槻先輩が俺を見て 「すごく美味しいよ。ありがとう。千尋」 なんか、めっちゃ優しい顔と声で、高槻先輩のイケメン度がアップしてる。 これ女子なら惚れてるよな。 「や、おおざっぱな男の弁当ですから」 ちょっと照れくさくなった俺はバクっとおにぎりを頬張った。思ったより梅干が酸っぱくて、きゅぅっとなって慌ててお茶を飲んだ。 こうして、風紀室で和気あいあいとお昼ご飯を食べたのだった。

ともだちにシェアしよう!