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風紀と平凡とお弁当2
「いただきまーす」
みんなでお昼ご飯だ。この学園に来てから、こんな大人数で昼飯食べるの初めてだなぁ。
「うまっ! 唐揚げ美味っ! なにこれ」
唐揚げを頬張って、中津先輩が言った。
「ちょっとカレー粉混ぜてるんですよ」
これ、小林のアドバイスなんだ。
こんなところで役に立つとは。
「ナポリタン懐かしいや。昔、母さんがお弁当に入れてくれてたんだ」
平野が嬉しそうに言った。
「小学校の時のお弁当とかナポリタン定番だったよな」
本場ナポリタンにはナポリタンてパスタ無いんだけどね。
「ポテトサラダも美味しいよ」と、西宮副委員長。
おからと豆乳入りのポテトサラダだ。
これも小林のアドバイス。
「タコさんウィンナーとか、くそ可愛いことしやがって。いい嫁になれるぞ」
委員長がしみじみ言った。
「嫁って言うな」
高槻先輩が俺を見て
「すごく美味しいよ。ありがとう。千尋」
なんか、めっちゃ優しい顔と声で、高槻先輩のイケメン度がアップしてる。
これ女子なら惚れてるよな。
「や、おおざっぱな男の弁当ですから」
ちょっと照れくさくなった俺はバクっとおにぎりを頬張った。思ったより梅干が酸っぱくて、きゅぅっとなって慌ててお茶を飲んだ。
こうして、風紀室で和気あいあいとお昼ご飯を食べたのだった。
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