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千尋とシャイニングウィザード6

[side 千尋] よし。平野は逃げたな。 平野の無事を確認して、俺は変態の耳を左右に思いっきり引っ張った。 「痛い痛い!」 「離せ変態!! 両耳引き千切るぞ!」 変態は俺から手を離して、両手で耳を覆ってうずくまった。 風紀の誰かが来るまで、こいつを逃がす訳にはいかない。 変態が片膝をついて立ち上がろうとするのを見て、俺はハッとした。 今だ!! ダダッと走って、変態の太ももを踏み台にして思いっきり頭に膝蹴りを食らわせた。 「くらえ! シャイニングウィザードォ─────ッッ!!」 「ぐあッ!!」 最近、空き時間に中津先輩からプロレス技やヤンキーのケンカ法とか習ってたんだ。 ちなみにこれは武◯のプロレス技だ。 中津先輩から技の名前を叫びながらブチかますと気持ちいいからねって教えてもらったんだよね。 よっしゃ! 技はクリーンヒットして、変態は仰向けにひっくり返った。 俺は畳み掛けるように変態の腕を取って、腕ひしぎ十字固めを決めにいった。 「この変態野郎! これでどうだ!」 「あはぁん!」 なんか変な声出してやがる気がするが………十字固めはがっちり決まった。 [side 高槻] 平野に聞いて、俺と委員長は急いで裏庭を走った。 千尋!! もし千尋に何かあったら………そう考えると血の気が引いていく。俺達は必死で千尋を探した。 「あぁああッ!」 薮の中から悲鳴が聞こえた。 「千尋ッ!!」 俺は声がした方へ走った。 「この野郎! ギブアップか!?」 「まだまだぁ~。あぁあ! もっとくださいぃ!」 「黙れ! 変態! お前、平野に何しようとしてやがったんだ!?」 「はい。変態です~!」 体の大きな男に千尋が腕ひしぎ十字固めを決めているのだが………こ、これは………。

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