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千尋と平野と高槻先輩2

  平野はお弁当買いそびれてたんだけど、委員長のコロッケと俺の肉じゃがと、風紀の面々からのおすそ分けで中々の量になった。 「あ、ありがとうございます」 「食え食え。ここのコロッケ上手いんだよ」 定番コロッケの他にカレーコロッケとかぼちゃコロッケとコーンクリームコロッケだ。コロッケサンドまで買ってる。 委員長、コロッケ買いすぎだろ。 肉じゃがとコロッケでジャガイモ被ってるし。しかし、美味そうだ。 「委員長、俺も貰っていい? コーンクリーム」 「おう。食え食え」 「いただきまーす」 美味っ! なにこれ。濃厚でとろとろだ。すんげー美味い。 「委員長! なにこのコロッケ、めっちゃ美味しい!」 「だろ?」 委員長が得意げにニヤッと笑った。 余ったら持って帰って晩御飯にするつもりでたくさん買ったらしい。 「あっ」 「どうした? 平野。」 「あの。他のクラスの一年の子が、有栖川くんがこのコロッケ買いに行ったから、裏庭の天使像の所で待ち合わせようって伝えに来たんです」 「俺は伝言なんて頼んでない。このコロッケがこんなに美味しいことも今日知ったし」 「どんな生徒だった?」 委員長が平野に聞いた。 「………えっと、背は僕と変わらないくらいで、髪も黒くて、普通な感じ。知らない子だったけど、ネクタイの色で一年だって分かったんです」 「目立たないモブキャラ使ったって訳か」 「一年生じゃないでしょうね」 西宮副委員長が言った。 「えっ?」 「あの天使像の辺りって、手入れされてないし。ちょっと薄暗いから、あそこで飯食う生徒も少ないしね~。ちなみにヤブ蚊もいるしね」と、中津先輩。 「計画的だな」と、高槻先輩。 計画的って………あ! 「俺、ホスト教師に呼び出されて………」 「ホスト教師?」 「あ、要先生ね。理科準備室に連れてかれて、俺が高槻先輩の事を好きで死ぬ程悩んでるって聞いたから相談にのってやるって」 ここまで話したところで、高槻先輩が盛大にお茶を噴いた。

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