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千尋と平野と高槻先輩3

高槻先輩がめちゃくちゃむせてる。 驚きすぎだ。ああ、でも同室の後輩がホモかもって、びっくりするか。 「ゲホッゲホッ!………ち…す……って………ゲホッ!」 「高槻先輩! 大丈夫ですか!? デマですよ。デマ!」 「デマ?」と、委員長。 「はい。要先生の学校のパソコンに、俺が高槻先輩のこと好きで悩んでるから相談にのってあげてほしいって匿名メールもらったって」 「平野君から遠ざけるためか」と、西宮副委員長。 俺は高槻先輩を安心させるために、ニカッと笑って言った。 「高槻先輩。俺ホモじゃないから大丈夫ですよ」 高槻先輩は、なんか複雑な表情をしていた。委員長はジト目でこっちを見てる。 「計画的だし、手慣れてるな。どっかの親衛隊が絡んでるだろ」 委員長の言葉に平野の顔色が青くなった。 「生徒会の誰かの親衛隊ってこと?」と、俺が聞くと 「多分な。ちょっとした嫌がらせのつもりだろうし、計画した奴に繋がるような証拠も出てこねぇだろうな」 「はぁ!? ちょっとした嫌がらせって………」 「有栖川を足止めしたとしても昼休みだし、平野が来ない事に風紀の誰かが怪しむ。未遂に終わるよう計算してるはず。本気なら誰も邪魔が入らないように計画しているでしょう」 西宮副委員長がこぼれたお茶を布巾で拭きながら言った。 「脅しっしょ。風紀味方につけて、いい気になってんじゃねーぞって」 中津先輩は不機嫌そうだ。 「その気になれば風紀を無視できるという事だろう」 高槻先輩が低く言った。 なにそれ! そんなに陰湿なのかよ。最近の高校生は!? 「とりあえず、飯食ったらもう一度詳しく聞かせろ。で、今日は早退しろ」 「………」 平野は食欲が無くなったみたいで、委員長がコロッケを持って帰るように包んでくれた。 俺と平野から聞いた内容を書面にして、あとは風紀に任せろって言われた。 俺達は高槻先輩に送ってもらって寮へ帰ることになった。 「あ。平野、今日は俺の部屋に泊まったら?」 「えっ?」 「いいですよね? 高槻先輩」 「まぁ、構わないが」 なんか、このまま帰すのも心配だしなぁ。 「でも、迷惑じゃ………」 「別に? じゃあ、今日はすき焼きにしよう! 高槻先輩、コンビニ寄ってきましょ」 「ああ。いいよ」 能天気な俺の言葉に、高槻先輩は笑って答えた。

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