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千尋と1仏陀と1ベッドの夜2

風呂から上がってリビングに戻ったら、高槻先輩が一人でソファに座ってテレビを見てた。 平野はもう寝たのかな。今日はいろいろあったしなぁ。 「ち、千尋」 「お風呂お先でした。高槻先輩も入ってください」 冷蔵庫からミネラルウォーターを出して、俺もソファに座る。 ちょうどテレビでアメコミ映画が始まったところだった。 あ。ちょっと見たかった映画だ。 水を飲みながら、テレビを見てると横から視線を感じた。 「高槻先輩?」 隣に座る高槻先輩が俺をじっと見ていた。 「お風呂入らないの?」 高槻先輩はハッとしたような顔をして立ち上がって「風呂入ってくる」と、慌てて歩いてった。 高槻先輩、今日はちょっと変だな。 調子悪いのかなぁ。 俺は少し心配に思いつつ、アメコミヒーローが暴れ出した画面を見たのだった。 【side 高槻】 「俺と高槻先輩が一緒に寝て、平野が俺の部屋で寝ればいいじゃん」 千尋の言葉にフリーズしてしまった。 「もしかして嫌でした?」 そんな俺に千尋が少し傷付いたような顔で聞いてきた。 「嫌じゃない! 嫌じゃないが………」 なんて言えばいいんだろう。千尋こそ嫌じゃないんだろうか。 そんな心配をよそに「これで解決ね」と笑って、千尋は平野を自室に連れていってしまった。 俺は自分の頬が熱くなっているのを感じた。 何でもないことだ。千尋をソファに寝かせるわけにはいかないし。 合宿の時の雑魚寝と同じだろう。ただ後輩と並んで寝るだけじゃないか。 寝る………って表現もどうだろう。 ああ。何を考えてるんだ。 俺は複雑な気持ちで、ソファに座って見るともなしにテレビを見た。

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