251 / 306

千尋とハリウッド委員長3

「平野の制裁の邪魔をしたお前に対する脅しだろう。余計な真似はするなってな」 聞いてるだけでムカムカする。委員長は関わるなって言うけど……… 「俺、平野と関わるのやめないから。もう友達だし」 俺の言葉に委員長は笑って、俺の頭をくしゃりと撫でた。 「お前ならそう言うだろうと思ったよ」 「委員長」 「今回の件は悪質だ。お前、南方がいなかったらヤバかったぞ。分かってるのか?」 あ。またヘコんじまう。 委員長には何度も自覚しろって言われてた。この体は『山田太郎』じゃない。『有栖川千尋』だ。てゆうか、俺はもう山田じゃないんだ。 「………分かってる。あの変態も俺の事、弱いって言ってた。情けないけど俺って非力だし。ちょっと調子にのってたから、思い知らされたし………」 委員長が俯いていた俺の顎に指を引っ掛けて、クイっと顔を上げさせた。 「お前は弱くない」 いつになく真剣な目で見つめられてる。 「誰だって自分が可愛い。無視して関わらない事も出来るのに、お前は平野に手を差し伸べた。俺や生徒会連中にも臆さずまっすぐ意見を言う」 「………委員長」 「それに、あの引きこもりの王子さまを自ら外に出させたんだ。すげぇぞ」 委員長は力強く言った。 「お前は強い」 俺はじーんとして、ちょっとウルっときてしまった。 「泣いちゃうのか? 可愛いなぁ。」 「あっ! ちょっと」 逞しい腕で、ぎゅっと抱きしめられた。苦しいってば! ハリウッド筋肉め。 「やっぱり抱き心地いいな、お前」 「バカにしてっ!」 「バカになんてしてねぇよ」 腕が緩んだので、ぷはっと顔をあげた。 「今朝、お前がいた事は俺と西宮と南方しか知らない。お前も誰にも言うな」 「けど………」 「お前がいた事になるとややこしい。いいから黙ってろ。高槻にもな」 あ。また高槻先輩に嘘を吐くのか。 「しょげた顔するな。高槻に心配かけない為の嘘だと思え。いいな?」 「はい」 「いい子だ」 委員長は俺の頭をよしよしと撫でた。 俺は今回は余計な事せずに任せておこうと思って、大人しく頷いたのだった。

ともだちにシェアしよう!