その日の昼は皆で食堂で食べることになった。 平野は生徒会や親衛隊の連中も食堂に来るんじゃないかって、ちょっとビビってる。 「気にすんな。生徒会なんかに風紀も負けてねぇぞ」 委員長がガハハと笑った。さすが肝っ玉もハリウッドだ。 美村と園田に声をかけてみて、二人も一緒に食べる事になった。 園田はいつも以上にキラキラしている。「高槻先輩もいいけど、委員長も体格差強引責めでいいし、西宮副委員長もアリだ。中津先輩には会計様とくっついて欲しいし………迷うよね。有栖川くん」と、小声で言ってきたが無視をした。 食堂に入ると生徒達の視線が俺達に集中した。まぁ大所帯だし、委員長は目立つしなぁ。 「あの平凡。今度は御影様に取り入る気？」 こそこそと平野のことを言ってる奴の声が聞こえてきた。 カチンときた俺は、「言いたい事があるなら………」と、言おうとして委員長に止められた。 「おい。今のはどいつだ？　文句があるなら俺に言え」 こしょこしょ陰口言ってた奴らが目をそらせて黙り込んだ。 「校内新聞を読んだ奴は知っているだろうが、平野を襲おうとした生徒がいる。今、平野は風紀の保護下だ。文句がある奴は俺の前に来い」 委員長は堂々と言い切った。皆、シーンとしてる。 その時、キャーと女子みたいに騒ぐ声が聞こえて 「お。いいタイミングで来たな」 生徒会の連中が食堂へ入ってきた。ナウシカ兄さんも桜ノ宮もいる。 ナウシカ兄さんが俺を見て微笑んだ。俺は小さく手を振って笑った。 「なんだ？　風紀の全員集合かよ」 生徒会長が委員長を軽く睨んだ。委員長は会長を無視して、食堂中に聞こえるような声で言った。 「昨日、平野を襲おうとした奴が今朝、反省部屋から逃げ出して生徒会書記の南方蓮太郎の事を襲おうとした」 食堂がザワッと騒つく。 「その生徒は南方とその親衛隊の手で確保され、反省部屋に戻された。風紀は反省部屋の鍵を盗み、逃亡を手引きした奴がいると思っている」 委員長は生徒会、その親衛隊達、そしてぐるりと食堂にいる生徒達を見まわす。 「これは風紀への宣戦布告だと見なす。裏で手引きした奴は必ず引きずり出してみせるから覚悟しとけ」