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眠り姫と黒い罠2

  「んんぅッ!!」 必死にもがくけど多勢に無勢で、俺の体は四人に担がれて運ばれてった。 裏庭の奥の古い掃除用具入れみたいな小屋に連れ込まれた。 「あの眠り姫とヤれるんだ。ちゃんとキレイにしといたからね。よっと」 そう言って、ブランケットが敷かれた上に下ろした。 「ほら。裸に剥け。制服破ったり汚したりすんなよ」 「なっ!? やめろよッ!!」 起きあがろうとしたけど、あっという間に両手両脚を押さえつけられた。 馬乗りになった奴が俺のネクタイを外して、シャツのボタンを外していく。 「やめろッ!! 離せッ! はな………ううッ!」 「し~」 大きな手で口を塞がれた。必死で首を左右に振るけど、口を塞ぐ手は外れない。 叫ぶことも、身動きもできない。 「ううっ………むぐ、う!」 「うわ。すげぇ傷痕」 「マジだ。痛々しいなぁ。可哀想に」 「………でも、エロくね?」 胸の傷をそっと撫でられて、ビクッと体が跳ねた。馬乗りになった奴がゴクリと喉を鳴らした。 「………感度も良さそう」 「大丈夫。ちゃんと気持ちよくしてあげるから」 「俺たち、お前に憧れてたのよ」 「酷くはしないから、楽しもうよ」 勝手な事を言うんじゃない!! 「………ううッ! う!………ッッ!?」 全力で暴れようとしたら、急激に視界が暗くなって体が痙攣し始めた。 やばい………これって………。 「おい。様子が変だぞ」 「息できてねぇんじゃねの!?」 「窒息してるだろ! 手ぇ離せ馬鹿!!」 「おい! おい、大丈夫か!?」 俺を押さえつけてる奴らが慌てたように叫んでる。 けど、視界が真っ暗になって何も見えなくなった。ガタガタと全身が痙攣してる。自分の体じゃないみたいだ。 その時、掃除用具入れのドアを蹴破って誰かが入ってきた。 「何やってんだ!? てめぇら!!」 「なんだ!?」 「ひぃ!」 怒鳴り声と殴る音が響いていた。俺は動くことができずに、ブランケットの上でガクガクと小刻みに痙攣し続けていた。 しばらくして、小さな呻き声と息遣いだけになった。 「おい。大丈夫か!?」 大きな腕で抱きかかえられたけど、まだ痙攣は続いている。 「おい! 千尋!!」 焦ったような声で名前を呼ばれた。 けれど、開いているはずの俺の目には何も見えていない。 目の前は真っ暗だった。

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