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園田と鳴海と女王様2[side 園田]

「御影様。高槻様。おはようございます」 お屋敷に入って、応接室に通された。御影委員長と高槻先輩が待っていた。 「おお。お前、今日は女スパイみたいだな」 委員長が笑って言った。委員長もちょっとわくわくしてるみたいだ。高槻先輩は苦い顔をしてる。 御影委員長のおうちのメイドさんが軽い朝食を持ってきてくれた。 集まった皆を見て「鳴海さん。今日はサプライズですね」とキラキラ顔で言った。 「はい。サプライズですので、ご内密に。」と、鳴海さんに言われて「分かりました!」と、キリッとした顔で出て行った。 僕はサンドイッチをぱくりと食べた。 「昨夜、島にいるメイドに近況を聞いておきました。」 「千尋は元気なのか? 体は?」 高槻先輩が心配そうに聞いた。 「はい。千尋様はすこぶるお元気だそうです。映画を見たり、プールで泳いだり、存分に休暇を過ごされてるそうです」 「そうか」 高槻先輩はほっとしたように言った。 「千尋様は日本に帰りたがっているそうですが、雅信様に却下され続けているそうです。雅信様が仕事の間は一日中、伏見さんに見張らせています。食事は必ず一緒の時間にとられ、ご入浴もご一緒にされ、夜も同じベッドで眠られているそうです」 「はぁ? なんだそりゃ」 「南の島で雅信様の溺愛も羽目を外されているのでしょう」 おおお! それは滾る!  禁断の親子愛だ。萌える。有栖川くんのパパだから、絶対美形でしょ。一緒にお風呂とか、やばいやばい。 「……園田様」 鳴海さんにこそっと呼びかけられ、僕は顔を引き締めた。 「千尋様は休暇が終われば日本に帰れると思っていらっしゃいますが、雅信様はこのまま千尋様を連れていかれるおつもりです。日本には数年帰ることはできないでしょう」 「籠の鳥ってやつか」 「千尋様は亡き奥様にそっくりです。もう手放されるつもりはないのでしょう」 「でも、千尋は千尋だ。千尋の意思を尊重すべきだ」 書記様の言葉に鳴海さんが「ですよね~」という顔で頷いた。 「さすが王子様」と小声で呟いたので「鳴海さん」と、今度は僕が注意した。 そんな僕らのやり取りを美村くんがじっと見ていた。

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