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鳴海とマル秘作戦1[side 鳴海]
【side 鳴海】
翌朝、もうすぐ島に着くので、皆さん早く目覚めていました。園田様だけねぼすけだけれど。
そんな園田様を美村様が「園ちゃん、顔洗ってきなよぉ」と世話を焼いています。これはこれで……腐男子受けというジャンルも割と好きですしね。
「さて。どうする?」
御影様がどかりとソファに座って言いました。
でかっ。態度でかっ。
高校生のくせに肉体も態度もでかいわっ。
園田様が望応学園の王様みたいなものと言っていたのがよく分かります。一昔前ならば激しく萌えましたけど。
ええ。昔は鬼畜凌辱ものが大好きで……。
学園内で監禁凌辱輪姦とかモブレとか大好きでした。でもよく考えてみて。
やっぱり愛って大切じゃないですかー。
やっぱり純愛でしょうよ。初々しいキスだけとか、手を繋いで眠るだけとかでも十分滾ります。一周回ってエロ無しで満足になりました。
「鳴海」
御影様に呼ばれてハッとしました。いけません。私としたことが……
「こちらをご覧ください」
気持ちを切り替えて、持ってきた地図をテーブルの飢えに広げる。
「まずこの入り江にクルーザーを隠します。お屋敷には忍びこみたいところですが、十中八九見つかりますね」
「え、普通に千尋に会いにいくんじゃ……」
南方様がきょとんと聞いてきました。
おぅふ。王子様ピュア。さすがです。
「正面から訪ねれば、問答無用で追い返されるでしょう。もちろん千尋様には一言も告げずに」
「そんな……」
王子様が悲しそうな表情で私を見ました。憂い顔も素敵です。
「どうするの?」
ぴょこんと美園コンビがサロンに入ってきました。もうこのふたりはCPとします。勝手にいちゃついていればいい。
「そうですね。例えばですよ」
私は南方様を見た。薄い茶色の綺麗な瞳をしてる……。
思わずうっとりしそうになるのを、気を引き締めて耐える。
「南方様には正面から千尋様を訪ねていただきます」
「えっ」
「護衛のものが対応している間に、こちらから忍び込むのはいかがでしょう。戦力的に南方様と園田様と私。御影様と高槻様と美村様。二つのチームに分かれます。園田様にはごねにごねていただきたいのです」
「おとり作戦だね」
園田様の目がキラキラしていますね。
「そうです。揉めれば、雅信様の耳にも入るでしょう。雅信様は園田様達と千尋様を会わせたくないはずです。千尋様を護衛の伏見さんに奥の部屋に連れてゆかせると思います。ここです」
ばさりと屋敷の見取り図を広げる。
「ここは玄関から遠い部屋で、千尋様のお部屋のひとつです。そして監視カメラの隙間がここ。園田様が揉めてくださってる間にこの部屋までたどり着ければしめたものです」
「なるほどなぁ」
「ですが、伏見さんは相当強いですよ」
「……へぇ」
御影様の目が好戦的な色を宿しました。ガチムチ対決。これはこれで、なかなか……。
ガチムチ受けもそこそこ好きです。ガチムチ受けならば陵辱ものもオッケーです。雄乳最高。
節操ないように思われるかもしれませんが、私の一押しは王子様×眠り姫の純愛ですから。
「脱出ルートは……」
作戦会議は島に着くまで続きました。
全てがうまくいくとは思っていません。
ですが、私には考えがあります。
千尋様に会って一言伝えることができれば勝算はあります。
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