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(Side晴也)
晴「…………………………………………」
父「ゴホンっ……落ち着け、晴也」
晴「す、すみません…………」
父「プロポーズ……するのだろう?
男らしくいろ!
大丈夫だ、今は椿に任せておけ…………」
晴「………………はいっ!」
そう、今日実家に連れてきたのは……挨拶も含めているが、プロポーズがメインの目的だ……
…………今日…………俺余裕ないな………………
鈴が部屋を出ていって2時間がたとうとしている………………そんなに長く準備されるとっ…………不安で不安で……仕方なくなる………………ソワソワと部屋の中をぐるぐる回って気を紛らわせていたが、父に注意されてしまった……………………
鈴…………大丈夫かな…………………………
注意されて、プロポーズの言葉を考え……ソファで大人しくしてること約20分………………
突然、扉が開き母と鈴が帰ってきた
晴「っ!!鈴………………っえ!?」
鈴の姿を見て驚いた…………
………………母さん……グッジョブ!!
片方の髪を耳にかけ、編み込みされていた
少し化粧をしたのか……色っぽい…………
なにより、驚いたのは……服装だ…………
結婚式で着る……ウェディングドレスみたいな……………………よくみるとタキシードなのだが、裾がヒラヒラしていてズボンがゆったりとしている…………………………
き、綺麗だ……………………
ポカーンとして見つめていると母がずいっと鈴の背中を押し、俺の目の前に立たせる…………
うわぁ、近いよ…………可愛すぎる………………
普段髪を下ろしているため、見えない鈴の耳が…………真っ赤になっているのが見える…………
可愛い……俺の…………鈴………………………………
……君を番にして縛ってしまった…………
もしかしたら…………将来運命の番と会うことがあるかもしれない…………でも…………手放してやれない………………
ごめんな……………………
責任取るから…………心も……身体も…………全て…………俺にちょうだい………………
晴「鈴…………」
鈴「…………?」
うるうるした目でこちらを見つめる鈴…………その小さな唇に……キスを落とすと……膝立ちになり、用意していた結婚指輪を取り出す…………
鈴「……っ!?…………ぅえうっ………」
一瞬驚いた顔をした鈴…………なにかを察したように……泣き出してしまった………………
膝立ちのまま、その涙を拭う………………
晴「鈴……好きだ
番だけでは足りない…………
もっとお前が欲しい………………
俺と結婚して、俺の苗字……もらってください…………
俺と……………………一生一緒にいて…………」
鈴「……………………うぅっ、はいっ!!!」
ボロボロと涙を零し、メイクも崩れてしまっている鈴…………そんな姿も可愛く見える…………愛しい…………好きだ…………鈴…………
泣き止まない小さな体を抱きしめ、もう離さない…………と耳元に囁く…………
すると鈴が顔を上げ、嬉しそうにこちらを見て笑うのだった………………
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