20 / 62
〃
?「ねぇ〜お2人さん、1人なの?」
鈴「…………っへ?」
叩かれた方をむくと、ニヤニヤとした顔の金髪2人が立っていた
…………あぁ、嫌な予感がする………………
朱「ちょっと、いたいっ!なにさっ」
?「まぁまぁ、いいでしょ〜?
いいことしようぜ?」
そういって1人が朱雨の腕を掴んで引っ張ろうとする
朱「悪いけど!俺デート中だから」
?「誰と?」
朱「鈴と!」
?「へぇ……君、鈴って言うんだ〜」
俺の後ろにたっている男がそう言う
しまった!という顔をしている朱雨
……いや……お前アホなの?
はぁ……と溜息をつき、どうしたもんか……とかんがえる
?「ってか、君ら、付き合ってないでしょ?」
?「俺たちの相手しろよ〜
俺たち、そっちのテクはあるぜ?」
朱「付き合ってるし!」
鈴「テクって……興味ないんで」
?「まぁまぁ、そういわずにさ?」
離れようと頑張る俺たちをジリジリと追い詰めてくる2人
トンっと後ろになにかがあたって、行き止まりだということに気づいた…………
うわ…………最悪…………………………
?「なぁ、いいだろ?」
朱「彼氏いんのに着いてくわけねぇだろ!」
?「じゃあ、証明しろよ、付き合ってるってさ」
朱「………………いいよ?」
鈴「…………え、ちょ、なに?」
ギッと2人を睨みつけると、朱雨は俺の顎を掴み、上を向かせると、俺の唇に噛み付くようにキスしてきた……
鈴「ん、んンッ……んふ…………」
朱「…………ぷは…これでいいでしょ?」
俺は突然の朱雨のキスに腰が砕けそうになる……
そんな俺を片手で支えながら、男達にそう聞く朱雨
だが………………
?「言い訳ないだろ?」
?「いいね、燃えてきた…………」
…………なぜか……男達のスイッチを押したらしい…………
その男達はジリジリと近づいてくる
?「逃げんなよっ!」
朱「くんなっ!!」
?「楽しもうぜ?」
鈴「あ、いやだ…………」
その静かに迫ってくる姿が……………昔、俺をレイプした男と重なった……
こわい……こわい…………また、あんな思いを……?………………
カタカタと体の震えが止まらない…………
朱「……鈴、大丈夫?りん!」
鈴「あ、あぁ…………はるや、はるやぁあっ!
はるやぁぁ…………助けてっ!」
耐えられなくなった俺は、目の前の朱雨にしがみつきながら、いとしい人の名前を呼ぶ
?「…………がぁっ!」
?「…………ぐはっ!」
すると、男達の呻き声が後ろから聞こえ、ふわっと好きな香りがする………………
あ、これ………………
チラッと後ろをむくと、
冷たく男を見下ろしている晴也と
冬馬さん、莉玖さんを連れながらお店に入ってきた玲がいた
晴也………………来てくれた…………
その嬉しさに、朱雨の腕からでて、彼の元に向かう…………
その腕の中に収まると安心からか、涙が止まらなくなった……
晴「…………こんなに震えて……チッ……
もう一発、殴ってもいい?」
鈴「だめ…………晴也の手が汚れる…………」
泣きながら、そう訴えると
ぎゅうっと強く抱きしめられる…………
……晴也が…………来てくれた…………
晴「買い物、遅かったから様子見に来たんだ
遅れてごめんね……怖かったね」
鈴「……大丈夫…晴也、来てくれたもん…………」
晴也を見上げ、そういうと
ちゅっと柔らかいものが額にあたる
晴「……もう心配だから、2人にならないでね」
鈴「わかった……ごめんなさい」
晴「ん、いいこ
俺にサプライズにしたかったんでしょ?
嬉しいんだけど……心配で…………
ごめんね、ワガママで」
鈴「ううん、大丈夫…………すき、はるや」
晴「俺も好きだよ、鈴」
晴也は、そういうといっそう強く抱き締めてくれた
…………俺は……こんな優しい人に愛されて…………幸せだ………………
ともだちにシェアしよう!