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第41話

Side鈴 薫「……鈴!!」 教室に入ると、真っ先に薫が気づいてくれた 薫の俺を呼ぶ声で、みんなが一斉にこちらを向く ビクリ、と肩を震わせるが 次の瞬間みんなが、わっ!とよってきた 薫「大丈夫なのか?もう」 優「顔色が悪そうだな、大丈夫か?」 A「心配したぜ〜」 E「ほんとー!よかったよー!」 鈴「みんな……ありがとう!」 こんなに待っててくれたのか、と自分が沢山の人から愛されていたことに気づき、とても嬉しくなった しかし、視界の隅で一向にこちらに来ない子がひとりいた その子はプルプル震えながら、涙をいっぱいためてこちらを見つめていた ゆっくりその子に近づくとビクリと体を跳ねさせ、おれと距離を取ろうとする…… 鈴「逃げないで………………………秋」 そんな様子の秋の手を掴み、ぐいっと自分の方に顔を向ける 俺と目を合わせると、耐えていた涙がとめどなく溢れてくる 秋「鈴ちゃ………………鈴ちゃん………………」 鈴「うん、ただいま……秋」 秋「ごめ…………ごめんなさいっ…………」 鈴「謝んないでよ…………秋だって、辛かったのに………… あれから大丈夫だった?」 そう聞くとコクコクと首が取れそうなくらい激しくうなづいてくれた その様子に吹きそうになる けど、秋の手首を見た瞬間、笑えなくなった 鈴「………………ここ、跡になってる…………」 秋「いいの…………こんな傷、鈴ちゃんに比べたら…………」 鈴「俺は男だからいいの………………痛そう……」 秋の手首を見ると、縄が擦れたような跡と、切り傷がいくつかあった 痛々しいその傷を親指でなぞると、秋も俺の手首を掴む 秋「鈴ちゃんだって…………こんなに沢山………」 鈴「これ?大丈夫大丈夫! ………………………………あっ!!」 俺はあることに気がつき、秋の手首と俺の手首を並べた 秋「な、なに?」 鈴「みて、おそろい! ほら!一緒だな!」 言ってから気がついたが こんなお揃いなんて、嫌だなと思われたかもしれない だけど…………少しでも気持ちが和らげばいいな……と思って、咄嗟に出た言葉だった

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